プレゼンテーションの目的
永井さんを筆頭に、プレゼンテーションの思い出、特に苦い思い出を書かれていてすごいなぁ、と思っていたら、前村さんまで!やはり、優秀な方はきちんと振り返っておられるということだと思います。皆さん、本当にすばらしい。
さて自分自身のことになると、大勢の前でプレゼンテーションをするようになったのは25歳くらいでしょうか。その会社では、今まで使っていたIBMのシステムを富士通のものに入れ替えるというので、システム担当ではなかった僕は横から見ていたのですが、導入しようとしたキーボードが「かな入力」だけのもの。「それはおかしい!」と文句を付けたら、担当者は「いや、富士通さんは、かな入力になるようですよ」。
そんな訳がないので文句を言い続けたら「じゃあ、お前がやれ」ということで、僕がRFPを作り、富士通(実際にはパートナー会社)から提案をもらって経営陣に説明をすることになりました。
今から考えてみると高い買い物をするのに、パートナー会社だけと話をしていた前任を引き継いだだけだったので、富士通のシステムの理解は疎か、よく分からないままに話していた気がします。で、プレゼンテーションはボロボロ。そもそもプレゼンテーションなんて勉強したこともないし、その前に会社の業務全体を把握できていないから、突っ込みどころ満載だったわけで。
幸い、当時の上司に恵まれていたので「富士通さんを紹介するよ」と言ってくれ、ようやくまともにプロジェクトが動き始めたのを憶えています。
今では偉そうに学生にプレゼンテーションについて、「プレゼンテーションの語源はプレゼントだ。だから、相手に何を与えるかが重要なんだ」なんて語っていたりしますが、学生たちの年代には何も分かっていなかった。
プレゼンテーションは所詮プロセス。目的をはっきりしないまま取り組んではいけないですよね。
そしてその上で、後ろのスクリーンを振り返らずに話すことが出来るようになる。落ち着いて、一人一人を見渡しながら、ということも、目的がクリアであり、充分な準備が出来ているからこそだと思います。
いつか、スティーブ・ジョブズ氏のようなプレゼンテーションができるといいな、なんて思ったりする日曜日です。