ファシリテーションは型から入る?違うでしょう
少し前のことですが、とある地区の保育園の園長さんや管理職クラスの方々が集まる場所で、会議ファシリテーションについてお話しさせていただく機会がありました。
「ファシリテーションってなに?」という方がいらっしゃる一方で、過去に1〜2度のファシリテーション研修を受けた、という方もいらっしゃいました。前者の方は良いのですが、後者の方が休憩時間に気になるお話をされました。
「ファシリテーションって、すっごく気が重かったんですよね」
僕からすれば、「えっ?なんで?なんで?」という感じです。しかし、お話を聴いてみたら、事情が少し分かりました。前に受けた研修では、型から入ることを強要されていたようです。わけが分からないのに、「こうしなければならない」みたいな感じですね。
ですから、ご本人たちも、なんかすっきりしない。階段を上る理由すら分かっていないのに、いきなり3段飛びで駆け上りなさい、みたいな研修だったようです。
ファシリテーションにも、傾聴(相手の話にしっかり耳を傾ける)とか、相手が言ったことを繰り返して理解したことを示す、といったことが必要な場合があります。しかし、たまにこれらを「型」として覚えてしまっている方に出会うことがあります。聴いていないのに聴いている振りをしているわけですから、赤べこみたいに首を振りまくる。
赤べこってご存じですか?福島県会津地方の玩具で、首を押さえると上下左右にグラグラと振り子運動を繰り返します。まさに、その動作に似ているんですよね。(苦笑
これは、コーチングを型で覚えてしまった人にもいます。(結構多いです)
大事なことは、その場をファシリテートすることであり、会議のアウトプットをきちんと出すことです。なぜその会議をやっているのか、ですね。
なのに、そんな中途半端なファシリテーションを学ばされていたのは、ファシリテーションに関わっている者として残念です。
幸いその方々は、「今回は時間が過ぎるのが速かった」と言ってくださいました。ファシリテーションは型ではなく、少しでも良いからやってみる、といった「思い」から来るモノだということを、再認識した次第です。