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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

企業の新しい試み。「ミドルのための新人研修」

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新社会人の皆様、おめでとうございます。

今年は入社式の後、いったん土日を挟むので、いきなり5日連続で緊張生活が続くこともなく、スムースにスタートが切れそうですね。

さて、今朝のYahho!ニュースから、この季節らしいトピックをピックアップしたいと思います。

今年も大勢の新社会人が社会にはばたく。筆者(53歳)が新社会人になった頃、職業生活は「約40年」と思われていた。しかし、定年延長などにより、現代の新社会人は、これから50年近くも働くこととなる。10年も伸びているのだ。

半世紀近く働き続けるコツは何か。

頭の良さでもスキルの高さでもなく、まずは「長年働くことができる程度には健康であること」である。だからくれぐれも無理せず、心身ともに健やかに日々を送ってほしいと願うばかりである。

平成28年度はカレンダーの都合上、新入社員研修が4月4日(月)から始まる企業が多い。(一部、流通業などは3月から既に研修をスタートさせている場合もある。)

新入社員研修は、今も昔も大きくは変わることなく、ビジネスマナーやコンプライアンス、会社に関する知識などを学ぶ、全部署合同の導入研修からスタートし、配属後に配属先に応じた専門研修に移行するのが一般的だ。前者の「全部署合同の導入研修」が最近、注目を集めている。

新入社員にではなく、ミドル社員に、である。 ミドル社員、具体的には40代社員に新人研修と同等のカリキュラムを用意し、受講させる企業が増えているという。

昨年(平成27年度)から「ミドル社員向け新人研修」を実施している西新宿システム(西新宿)を取材してみた。

人事部人材開発グループの高橋グループ長はこう話す。

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「新人研修をもう一度受けてみたい」
「今、新人研修を受けたら、もっと自分の力になるのではないか?」
「今だったら、もっと真面目に受講し、血肉にできるような気がする」
「新人が学んでいることの内、自分たちミドルが知らないことも多く、新人と話のレベルを合わせるためにも受講したい」

こういった声がアラフォー社員から噴出したんです。それで試しに一回やってみようか、と昨年、1週間のカリキュラムを開催してみたんです。受講者の選定も「指名」ではなく、あくまでも「手挙げ」方式で。受講条件は、40歳~45歳と絞り込みました。

そんなに集まらないだろうと思っていたら、意外に申込み数が多かったんですよね。ええ、昨年は18人も集まりました。40歳~45歳に相当する社員が42人いますので、約半数ということになります。スゴイ反響だ!と驚きました。

さらにびっくりしたのは管理職も大勢含まれていたことです。

受講申し込み者に対して、思わず、「ビジネスマナーなどを基礎から学ぶのですが、大丈夫ですか?」と一人ひとりにメールを出して確認してしまったほどです(笑)。

最終的には、16人に対して1週間の研修を開催しました。

タイトルは、「ミドルのための新人研修。~今一度基本から学んでみよう!~」。

カリキュラムは、だいたい以下のような感じです。

・ビジネスマナー(身だしなみ、挨拶、お辞儀、敬語、名刺交換、電話対応、接遇応対)
・ビジネス文書(正しい日本語で具体的に書く文章力、ロジカルライティング)
・コミュニケーションスキル

これを組み合わせて5日間。朝9時から18時までびっしりです。この間、仕事をしてはいけません。PCを持ちこむとついメールを読んだりしてしまいますので、PC持ち込みは禁止しました。

蓋を開けてみたら、皆さん、初日からヘロヘロになり、口々にこうおっしゃるんです。

「今さら挨拶なんて、と思っていたけど、普段、ろくに挨拶もしていなかったことに気づいた」
「客先に訪問したり、来客を迎えたりする際の廊下の歩き方なんてすっかり忘れていた」
「スーツの正しい着方、習ってみてびっくりした。あれ以来、スーツの着こなしにも気を付けている」
「コミュニケーションなんて簡単な内容が含まれていて正直、がっかりしていたのですが、講師から『あなたはまるで人の話を聞いていませんね』と手厳しくフィードバックを受けた。最後まで聴くことの大事さを学んだ」

ミドル社員だからといってレベルを上げたわけではなく、新人研修と同じメニューを受講してもらいました。ただし、身だしなみについては、プロのスタイリストを招き、髪型や服装に対するコンサルメニューを入れました。これも評判が良かったですね。女性はあまり悩みがないようでしたが、男性の場合は、「着たきり雀」なケースも多く、スタイリングしてもらったことで、カッコいい自分を鏡で見たら、自信がついたという人も多かったんですよ。

スタイリング以外は、ほぼ新人研修のテキスト通りに進行しましたが、これが意外に効果的で、皆さんは、初心を思い出したり、再度学び直したり、5日目の修了式には、涙を浮かべるミドルもいたくらいです。

この話はここで終わらず、続きがあります。

このたった5日間の「ミドルのための新人研修」を受けた人たちの評判がその後非常によくなったんです。職場に戻ってから、同僚や部下たちから、「とても話しやすくなった」「立ち居振る舞いが好ましいものに変化した」と感嘆すら挙がりまして。いや、別に以前も悪評だったわけではないんですよ。自分から学ぼうと手を挙げて参加したような方たちなんで、最初から好奇心や向上心がある方ばかりだったのですが、より一層評判が高くなり、その後の1年で職位が上がったかたも何人か。360度評価をしてみると、部下からの評価がぐんと上がった人が大勢いました。

こりゃいいね、ということになり、今年平成28年度からは、公式カリキュラムとしました。新人研修と同時期に行うのは大変なので、1ヵ月ずらして、スタートは5月1日です。

今年は既に24人の受講が確定しています。

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「ミドルのための新人研修」・・・・・。

10歳の時に「1/2成人式」を行うことが増えているそうだが、40代という「ダブル成人式」の時期に2度目の新人研修を受講するというのは、イマドキのミドルにとって、この後のキャリアをさらに充実させるために有効な取り組みかも知れない。

なにせ、今の40歳は、今度まだ25年、30年と仕事を続ける可能性がある年代である。このタイミングでビジネスマナーやコミュニケーションを再度学び直すことは、平成生まれの若手と共に仕事をしていくためにも重要だろう。

今後、多くの企業に広がる予感がする「ミドルのための新人研修」。

読者の勤務先でも導入を検討し始めている・・かも。

受けてみたいなぁ。「ミドルのための新人研修」。

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過去のYahho!ニュースは、以下の通りです。

★2015年4月1日 新入社員研修にも保護者参観日。

★2014年4月1日 親同伴の入社式が増えてくる?

★2013年4月1日 新しいOJTのカタチ!? 「満員電車の正しい乗り方」訓練法。

★2012年4月1日  「職場における敬語の廃止を検討する」WG発足へ?

※毎年一定数「親同伴の入社式なんて!」などとフンガイしている方がいらっしゃいますが、慌てない、慌てない、一休み、ひとやすみ。 (一休)
Comment(1)

コメント

コリグ

今年の記事も楽しみにしておりました。(笑)
本当に実施して欲しいな、とも思ってしまいました。
初心に還るって大切なことですね。

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