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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

親同伴の入社式が増えてくる?

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各社で入社式が執り行われた。今年の入社式は、昨年までとちょっと趣が異なるようだ。

今年もYahho!ニュースから引用しよう。

今年の入社式を取材した。

流通大手A社では、4月1日に都内某ホテルの大宴会場が会場。足を踏み入れると一瞬、不思議なレイアウトに戸惑う。「保護者席」があるのだ。

新入社員108名の後ろにほぼ同数の「保護者」が座っている。男性4:女性6くらいの割合だ。

人事部B部長はこう語る。

「数年前から入社式に参列したいというご両親からの声がよく聴かれるようになりました。”保護者席”を設けたのは今年が初めてですが、昨年もホテルのロビーなどに親御さんが相当数いらっしゃっており、それならいっそ席を設けてしまおうということになりました。会場の関係で、父母、どちらかにしていただいています。」

式次第を見ると、社長の講話に続き、新入社員代表の挨拶、そして、「保護者代表」の挨拶と続く。

保護者代表であいさつをしたC氏は、新入社員D子さんの父親だ。

「私の娘を含む108名の新入社員をどうか愛情を持って育てていただきたい」と檀上であいさつした。

入社式が終わり、午後から新入社員たちには研修が待っている。ここから2週間の導入研修だと言う。

「保護者」はどうか。実は、別会場で2時間の「保護者向け研修」が用意されているのだ。約100名の「保護者」はほぼ全員が午後の研修も受講した。

内容は、

● 娘、息子が体調不良などで休む際、本人に電話させること。親が代わりに電話をしてはいけない
● 娘、息子が研修で「敬語」を学んでいるため、家庭でも正しい敬語を教えてほしい

といったことを伝えるものだ。

ところで、記者が気になったのは、入社式に列席している親側の仕事はどうなっているのか、だ。

入社式に出席していたある親の勤務先に取材を試みると、人事部から興味深い話を聴くことができた。

「お子さんの入社式に参列したい、という社員からの声が多かったものですから、いっそのこと休暇を作ってしまおうということになり、2014年度からは”入社式参加休暇”を設けました。新社会人の親であれば、1日だけ有休休暇が取得できます。」

新入社員側は親が入社式に同伴することをどうとらえているのだろうか。

父親が「保護者あいさつ」を務めた新入社員D子さんはこういう。
「お父さんがいっしょに来てくれたので、とても心強かったです。仕事頑張ります」

母親が同伴した新入社員E男さんも同様に「親に一緒に来てもらえるのは安心だし、会社も見てもらえるのでよいことだと思う」と語った。

とうとう親が入社式に参加する時代になったのだ。驚いていたら、B人事部長から驚きの話を聴いた。

「今年は両親・兄弟の内、一人だけの参列でしたが、親御さんからは、祖父母も列席させてほしいという声が挙がり、来年2015年度からは一人の新入社員につき、参加可能な家族の数を3倍から4倍にする可能性があります。そうなると、問題は会場確保です。」

「6ポケット」と呼ばれるようになって久しいが、少子化の現代、「保護者」同伴の入社式はまだまだ規模が拡大しそうな勢いである。

社会人になるということは、「保護」の元を離れるという意味だと思っていたが、そういう考えはもはや”昭和”な価値観なのかも知れない。

なるほどー。

家族同伴の入社式。
ついでに、
親御さん向けの研修。

世の中、変化してますね。

【なんとかも間に合った(3月30日撮影)】

Sakura


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騙されませぬよう・・・(2014年4月16日追記)

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