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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員研修。昭和VS.平成。

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2012年度新卒・新入社員研修。私にとっての第一弾が終了しました。ビジネスマナーとか会社の仕組み、コミュニケーション、文書、プレゼンテーションなどを総合的に学ぶ3日間。

皆さん、にこにこ笑顔で終日過ごしていて、とてもいい感じです。 うなずきながら聞いているのも。

10年くらい前から新入社員の反応がどんどん薄れていき、話しかけても無表情、聞いているのかいないのかわからないという現象があちこちで散見されました。3-4年前のことですが、ある人事部の方は、入社後すぐに「反応する練習」をさせたといったケースも。「話を聴くときはうなずく」「わかったならうなずく」「はいと返事をする」などを練習してから研修を開始したら、説明しやすくなった、なんておっしゃっていました。

能面のような状態で座っていられると、「分かったのかな?」と心配になり、何度も説明してしまうこともありますから、この人事の方の気持ちわかります。

今年は全くその心配はなく、冒頭からよく反応があり、コミュニケーションがうまく図れました。(この「反応ありやなしや」が進めやすさに大きく影響するのです)

「取引先を訪問する際のマナー」を学んでいる時のこと、ふと、私が体験した「ある訪問先の玄関で10分間立たされて、守衛さんに説教された話」を披露した時のこと。

「この出来事があったのは、9.11の数か月後で、企業のセキュリティも強化されていたのですよね。9.11って2001年でしたよね?」

と言うと、全員がきょとん。

あれ? 9.11ってつい”最近”のことだけど、もしやよくわからない?

・・・

聴けば、87年生まれから90年生まれ。(大学院卒もいらっしゃるので)

9.11の時は、14歳~10歳くらい。

きょとんとするの、わかりますね。もちろん、リアルタイムでTVで見てはいただろうけれど、子供の時、TVで見たあの出来事は、十分大人だった私が受けた衝撃とは全く違うはず。

これ、喩えるならば、

「あさま山荘事件あったよねぇ」と言われ、「そういえば、鉄球がどーんとぶつかる映像をTVで見たけど、あれは何だったんだろう?」と当時子どもだった私は大人になっても実感がない、というのに似ています。

あさま山荘事件:1972年。私は1963年生まれ。9歳のときのこと。


そうかあ、今年の新入社員にとって、「9.11」は、私にとっての「あさま山荘」くらいに、なんだかよくわからない出来事なのかも知れないなあ、と思ったら、妙に納得してしまいました。

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