「叱責して、改善させる」以外の方法しか知らなかったボクが、コミュニケーションを勉強して気づいたこと
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
ボクが30代の、管理職になりたてのころの話です。当時はプログラマーで、「ずっとエンジニアでいたい」と思っていたボクは、本当なら、管理職などやりたくはありませんでした。
でも、年代的にボクしかやる人がいなくて、正直、しぶしぶ引き受けたのですが、まぁ、最初のころはひどかったですね。
当時、管理職としてやっていたことを思い出すと、真っ先に思い出されるのは「叱咤激励」です。「なんで納期までに間に合わないの?」とか、「どうしてこんな仕様になるの?」とか。メンバーが不具合を出したときなんて最悪です。「なんで不具合出したの?なんで気づかなかったの?ちゃんとテストしたの?」みたいなね。
今なら、こう思います。「っていうか、そもそも不具合に気づいていたら、リリースする前に修正してるっつーの」。
もっとも、ボク自身、上司や、顧客からそういう扱いを受けることが多かったし、そうやって育てられてきたような気がします。だから、「叱責して、改善させる」以外の方法ってよく知らなかったんですよね。
こういう関わり方ではメンバーをうまくまとめられなかったなぁ。
で、それからしばらくして「たぶん、これじゃダメなんだ」と気づき始めるのですが、「じゃあ、どうすればいいのさ」という、他の方法が分からなくて。
そして、ネットや本を調べるようになって、行きついたのが「コミュニケーションを学ぶこと」だったんですよね。
コミュニケーションを学ぶようになって思ったのは、「単に責め立てているだけじゃダメだな」ということ。「叱りたくなる」ということは、その背景には「本当はこうだったらいいのに」という「理想」があると思うのですよね。目先のミスを叱責するだけではなく、理想をちゃんと伝える必要があるし、「何のために」といった目的も伝える必要がある。
また、何かしらの問題が起こったときに、その「事実」は変えられないけれど、「意味づけ」なら変えることができます。それならば、「なんでこんな失敗したの?」「なんで気づかなかったの?」と叱責するよりも、「この機会から学ぶことがあるとすれば、それは何だろう?」「どうすれば、今度はうまくできるだろう?」「でも、問題は問題だから、解決できる方法を一緒に考えよう」のように、言葉の掛け方を変えていくことで、気づきの機会に変えることもできる。
さらに、ちょっとした、言葉のテクニックを知っているだけで、同じ事柄も「嫌な感じ」ではなく、「いい感じ」に伝えることができる。
コミュニケーションを学んで、職場で実践することで、「叱るってストレスだし、エネルギーがいることだけど、こうすればストレスも減るし、メンバーの成長の機会にもなるなぁ」と思ったものです。
そういう経験を実務の中で積み重ねる中で、エンジニアにこだわっていた私は、次第に、嫌がっていた管理職にも面白さを感じるようになり、「人の成長を支援するのも楽しいじゃないか」と思うようになって、エンジニアから人材育成の世界にキャリアを変えてきた......という経緯があります。
もちろん、いろんな経験を重ねてきたとはいえ、今でも、うまく行かないことはたくさんあります。それでも、「こうすればよりよくなる」というのも、あると思っています。
年明けの1/9(水)、秋葉原で、楽しくはたらくための、「叱るとき、叱られるときの対応力」という交流会を開催します(「年明け早々から『叱る』かよ」という声が聞こえてきそうですが(笑))。でも、仕事をしていると切っても切れないテーマであるのもまた、事実。軽くお酒を飲みながら、今まで重ねてきた経験を共有しながら、みなさんとざっくばらんに、いろんなお話ができればいいなぁと思っています。「そうは言ってもね・・・」という本音も歓迎ですー。会社では、なかなか言えないと思うので。
ゆる~い感じでお越しください。