大量に消費されるものよりもシンプルで本質的なものを選びたい
こんにちは、しごとのみらいの竹内儀晴です。
先日、長野県信濃町の格好いい時計屋さんと50年前の粋な技術屋さんが作った時計の話という記事を書きました。片田舎にある時計屋さんが、実はすごい技術屋さんだったことに驚いたこと、50年前の時計なのに、ねじを巻くだけで正確に動き出した品質に「すごい!」と思ったというお話でした。
文末に、「実は、これ以外にも、『仕事で大切なことはこういうことだよな』と、マジマジと思ったことがある」と書きましたが、今日はそれについてまとめたいと思います。
まだ、雑多な印象として頭の中にあるのですが、それらをあえて一言で表現するなら、「本質」という二文字が浮かんできます。「仕事で大切なのは、本質だよな」と。なので、「本質」をテーマにいくつかの項に分けてまとめます。
情報と出会いの本質
1つ目は、「情報と出会いの本質」です。
今回、ボクが、時計の修理でお世話になった刻の救急社オグチさんを知ったのは、インターネットのホームページでした。
近年、インターネットのマーケティングでは、コンテンツ(役に立つ情報)を充実させて、顧客とつながるマーケティング(コンテンツマーケティング)が流行っています。実際、ボクも実践していますが、結果が出るので面白いです。
一方、オグチさんのホームページは、コンテンツマーケティングとは真逆な感じです。
それでも、初めてホームページを拝見したとき、ボクはなにか、「ビビッ!」とくるものがありました。その理由は自分でも、まだよくわかっていませんが、安心感や信頼感みたいなものを感じたようです。
この体験を通じて思いました。「これでもいいんだな」と。「数じゃないんだ」と。「本質的なものがきちんとあれば、それでいいんだ」と。当たり前と言えば当たり前だけど、その当たり前が難しい。その「本質とは一体何なのか?」は、今後、追及していきたいです。
仕事の本質
2つ目は、「仕事の本質」です。
久しぶりに「腕時計をしたい!」と思ったこと、ありますか?にも書きましたが、ボクが時計をしなくなったのは、「携帯電話を持ったから」でした。携帯電話には、時計もカメラもみんなついています。そういう意味では、時計やカメラは、携帯電話に置き換わっていく......というのが、一般的な解釈かもしれません(つまり、商売として成り立ちにくくなっていく)。
また、時代は大量生産、大量消費です。「修理代のほうが高ければ、新しいものを買う」が、一般的ですよね。そう、「買ったほうが安い」ってやつです。壊れたら修理せずに買い替えるから、品物が豊富で選択肢がたくさんある大型の家電量販店やネット通販が便利だし、街の小さな商店は淘汰されていくのが現在の構造です。
そんな不利な状況で、しかも、片田舎の雪国にある時計屋さんが、全国を相手に商売ができるのは、「基本を大切にした、確かな技術がある」からなのかもしれません。
また、50年前のセイコーの時計が問題なく動くことにもビックリしました。構造がシンプルで、基本がしっかりしているからこそなのかもしれません。
「『シンプルな基本を大切にする』......仕事の本質って、これだよな」と思いました。
話は少しずれてしまうのですが、ボクの父親、妙高高原で機械整備の仕事をしています。もう70を超えていますが、今でも現役です。妙高高原は雪深い土地で、冬は除雪機の整備で大忙しです(今年は雪が少ないですが)。時計屋さん同様、メーカーでもやらないような対応を臨機応変にする、確かな技術をもった人です。「こういう人は、ずっと求められるのだろうな」と、近くにいて思います。
近年はモノに限らず、情報も大量生産、大量消費の時代ですよね。ボクは講演をしたり、文章を書いたりする仕事もしていますが、困っている人に本当に役立つ、価値ある本質的な情報を伝えていきたいです。ホント難しいし、時間もかかるわけですけれども。文書も、一時の数よりも、質を大切にして、長く読まれる本質的なものをていねいに、ていねいに書いていきたいな~。
豊かさの本質
3つ目は、「豊かさの本質」です。
今回時計屋さんに修理に出した時計、某オークションを検索したら3000円ぐらいで取引されていました。修理代のほうが断然高いです(もっとも、それも経時劣化しているでしょうから、ちゃんと使うならメンテナンスは必要でしょうけど)。モノだけなら、別のものを買えば新しくはなります。けれども、愛着はモノではなく思い出にありますし、別のモノを買えばOKってわけでもないでしょう?
最近は、新しいモノを増やすことよりも、本当に「大切なもの」や「気に入ったもの」をていねいに、長く使っていくことを大切にしたいなと思っています。2015年の年末には、不要なモノを大量に整理しましたが、時計を通じて、ますますその思いが強くなりました。
まとめ
というわけで、言葉にするとうまくまとまらないんですけれども、出会いも、仕事も、豊かさも、大量に消費されるものよりも、シンプルでより深い、本質的なものを選んでいきたいです。