働く環境は、自分でえらべる
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
先日、「自分のため」か「会社のため」か―「最近の若い人」で思ったことという記事を書きました。一言で言えば、『働く動機は「自分のため」か、それとも、「会社のため」か』というお話でした。若いうちは「自分のため」でいいんじゃないかと。で、いろんな経験を積んでいくと、「会社のため」「社会のため」と成長していくのではないか......というお話でした。
ブログやFacebookでコメントをいただきました。ありがとうございます。コメントをまとめると、社員の動機付けや職場環境を変えていく上で、「会社には、まだ、やるべきことがある」というように読めました。
一方、仮に会社が、上司が今の環境を変えてくれなくても、「環境は自分でえらべる」と、ボクは思っています。なぜなら、会社が、上司が今の環境を変えてくれなくても、「だから、私は今の環境のままで仕方がないんだ」と諦めるのか、それとも、「だったら、自分で変えていこう」と行動するのかは、自分がえらぶことだからです。
ここで、個人的な経験談をお話しすることをお許しください。
ボクがサラリーマン時代の最後を過ごした会社は社員が100人程度のシステム開発会社でした、職場は、ある大手企業の情報システム部門で、外注要員として働いていました。会社対会社の上下関係、なかなか逆らえない高圧的な顧客の態度。職場の中は会話が少なくシーンとしています。お世辞でも、楽しいとは感じられない環境でした。少なくとも、ボクにはそう感じられました。毎朝、仕事に行くのが本当にゆううつでした。
プログラマーの仕事は好きで、それ以前はとても楽しいと感じていましたが、どんなに好きな仕事でも、環境が悪いと楽しくなくなってしまうのですよね。いともカンタンに。
ボクは会社の上司に「なんとかしてくれ」と改善を求めました。けれども、改善されることはありませんでした。もちろん、上司も一生懸命動いてくれたとは思います。けれども、会社対会社の関係の中では、それほど強く言えない......という事情も、今になってみれば、とてもよくわかります。
それからしばらくして、ボクは中間管理職になりました。もう、毎日がいやで仕方がなかったので、何かを変えたかった。こんな環境はもう真っ平だと思った。そこではじめたのが、コミュニケーションの勉強でした。プログラマーだったボクは、どのように部下と関わったらいいのか、よくわからなかったので。
コミュニケーションを勉強したからといって、すぐに何かが変わったわけではありませんでした。けれども、習ったことは実践してみようと思いました。失敗もたくさんしました。それでも、半年から1年ぐらい経ったことでしょうか。ふと気づいたのです。数名の部下が、以前よりも明るくなっていることに、仕事に前向きに取り組んでいることに。それに気づいたボクはうれしくなりました。それからです。仕事が楽しいと感じられるようになってきたのは。
この体験を通じて思いました。「大きな権限があるわけではないし、職場のシステムや仕組みを変えることはできない。だけど、少なくとも、自分の周りのだけは変えられるんだ」と。「会社に、上司に環境を変えて欲しいと思っていたときは何も変わらなかったけれど、自分から変えようと思ったことは変えられるんだな。そうか、"自分で変える"ほうをえらべばいいんだ」と。
えらぶ理由は、「自分が楽しく働くため」でいいと思います。働く環境は、自分でえらべるんです。
とはいえ、ひょっとしたらこう思うかもしれません。「それは、あなたの経験であって、私の環境は違います。私の環境は本当に最悪で、自分にはなんの権限もありません。だから、私には何もできませんし、選ぶこともできません。会社や上司にどうにかしてもらうしかないんです」と。環境が悪ければ悪いほど、そう思うのも仕方のないことかもしれません。
それでも、あえて言いましょう。それは、「私には何もできないし、選ぶこともできない」ということを、「自分でえらんでいる」んです。
もし、今、イヤ~な感じがしていたら、とてもいい兆候です。目の前の環境が「自分でえらんでいる」ことを自覚できれば、別の選択肢をえらぶきっかけになります。
働く環境は、自分でえらんでいいんです。