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「起業後押し、650万の生活費2年支給」するなら・・・

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

起業後押し、650万の生活費2年支給へ…政府(YOMIURI ONLINE)という記事を見かけました。

 政府は、サラリーマンなどをやめて起業する人に年間650万円の生活費を最長2年間支給する制度を今年度中に始める。

 起業した当初に収入がほとんどなくなってしまう不安をなくし、大企業などに勤務する優秀な技術者や研究者の起業を後押しする。特に将来の市場拡大が見込まれるロボットなど製造業関連での起業を期待している。

のだそうです。

ボクも起業を経験した1人です。記事のご指摘のとおり、起業した当初は収入がほとんどなくなってしまいます。もし、この制度があったら、とってもありがたかったかもしれません。

 起業家が、経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の関連会社の契約社員になる形をとり、NEDOが生活費を「給与」として支払う。8月18日まで募集し、15社(1社当たり最大3人)程度を選ぶ予定だ。

 NEDOは、試作品づくりや市場調査のための補助金(上限は年間1500万円)も支給する。

記事にある「起業した当初に収入がほとんどなくなってしまう不安をなくし」も、目的としては分かります。一方、起業は、お金の前に「やりたいことがあるから」とか、仕事のストレスや職場の人間関係など「環境に耐えられなくて」するものではないかと思います。

この記事の場合、「起業を後押し」するのが目的ですから、同じ650万円使うならやりたいこと(つまり、事業費)に使えたほうが便利なのではないかと思います。

また、「生活費」だと、それで温泉やキャバクラに行ってもいいことになってしまうような気がします。かといって、「生活費の領収書を全部出せ」というのも違う気がするし……。生活費は起業する方自身に作っていただくのがいいのではないでしょうか?(生活を切り詰めれば、たぶん年間300万円ぐらいでいけるんじゃないかな)

あと、「大企業などに勤務する優秀な技術者や研究者の起業を後押しする」とありますが、「大企業など」に絞らず、万人がチャレンジできる形がいいんじゃないかなぁと思います。

な~んて言っていますが、実はボク、会社をやめたときは、もう、仕事のストレスに耐え切れずに勢いで辞めてしまったクチなので、偉そうなことは何も言えません。

で、当時の会社の社長に、「まだ準備ができていないだろう?準備ができたときは喜んで送り出すから、形だけ独立したことにして、準備ができるまではここで働きなさい」と言っていただいて、前の仕事を続けながら準備をはじめました(あの時、社長にこういっていただかなければ路頭に迷っていたと思います。社長のはからいには本当に感謝しています)。

3年間で当面の生活費を貯めたり、家族を路頭に迷わせないようにいろいろ勉強したりして本当の意味で起業しました。そのおかげで「一国一城の主」みたいな気がしてうれしかったですし、3年間の間に「やりきった感」も生まれましたし。

いろんな意味での「覚悟」もできたような気がします。

というわけで、同じお金を使うなら「生活費」よりも、「やりたいこと」に使えるほうがいいのではないか?と個人的には思います。

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