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就職活動の相談を受けて

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

今日、就職活動に関する相談のために、大学生が遠方から妙高高原までボクを訪ねてくれました(フットワークの軽さに脱帽)。

「なぜ相談相手がボクだったのか」を尋ねたら、「職場 環境 改善」等のキーワードで検索したらボクが出てきたそうです。まぁ、そういうこともよく書いていますからね。

実はボク、新卒の就職活動ってしたことがないんです(企業内の高校に入って、そのまま会社に入ったので)。転職は何度かしましたけど、就職活動に関する具体的なアドバイスは何もできません。けれども、「一社会人としてなら、何か役に立てることがあるかもしれないな」「会話を通じて、頭の中を整理するきっかけになればいいな」と思って、お話を伺うことにしました。

いくつか感じたことがあったので、備忘録のために残しておこうと思います。就職活動の専門家のみなさんから見たら異なるご意見もあるかもしれません。個人的な意見です。あしからず。

何をしたいのかがはっきりしていなくてもいいのかも

就職活動では「当社の志望動機は?」という質問がつきものだと思います。やりたいことが明確な場合はそれを伝えればいいのでしょう。しかし、やりたいことが明確でない場合もあるでしょう。「何が本当にやりたいことなのか」と迷ったり、やりたいことが明確でないご自身に自信が感じられないこともあるかもしれません。

けれども、学生時代に何がやりたいかが明確な人はそれほど多くないのではないかと思っています(ボク自身、学生時代に今のような仕事をしているとは想像もしていませんでした)。また、仕事を通じてやりたいことが明確になってくることもあるでしょう。

それならば、「少し長い視点を持っていてもいいのかな?」と思っています。

一昔前と違い、「同じ会社でずっと働く」ということにそれほど重きを置く必要も少なくなっているような気がします。「○○系の仕事がしたい」という方向性だけは明確にしておいて、現時点では、まずは社会に出ることを優先し、何をしたいのかは働きながら調整していくのも一つの方法だと思っています。

面接を繰り返す中での違和感を大切にしよう

「当社の志望動機は?」という質問に、「御社の○○に共感いたしまして……」などと、内心では思ってもいない作文(ウソ)を口にすることもあるかもしれません。根が正直な人なら、「そんなこと、思ってもいないんだけどな……」と、違和感や罪悪感みたいなものを抱くこともあるかもしれません。

違和感が生じるということは、その背景に「本当にやりたいこと」が隠れている場合があります(本当にやりたいことがあるからこそ、違和感を抱くのです)。なので、抱いた違和感を大切にしてください。違和感を抱いたら、「何がそう思わせるのか」を考えてみてください。

だからといって、すぐにやりたいことがはっきりするわけではないかもしれません。しかし、ご自身の本心を探求する姿勢が、本当にやりたいことに気づかせてくれます。

就職活動ほど、違和感を感じる機会を繰り返すことができる機会はそう多くありません。違和感をたくさん積み重ねてください。違和感は「本当にやりたいこと」を見つけるサインです。

迷ったときは「感じて」みよう

就職活動では、就職先を給与や休暇などの条件を比較して「考える」ことも多いと思います。条件で選択していると、よさそうなのがたくさんあってどの会社がいいのか分からなくなることもあるでしょう。

そういうときは、少し「考える」ことから離れて「感じて」みるのもいい方法です。選ぼうとしている会社がしっくりくるかを感じてみるのです。また、「直観」を大切にしてください。「この会社はなんとなくよさそう」「この会社にはなぜかひかれる」という感覚も大切なサインです。

社会の経験は20数年もある

仕事には、「社会人(働いたことがある)としての経験」が求められるものもあります。たとえば、私がやっているコーチングやカウンセリングのような仕事は「自身もその体験をしている」ほうが何かと便利です。しかし、学生のみなさんにその経験を求められても困ってしまうでしょう。

そこで考えたいのが、学生時代やアルバイトの経験です。「社会人としての経験」でないかもしれませんが、「社会での経験」に違いはありません。志望動機が学生時代やアルバイトの経験であるならば、その経験をそのまま話すのも説得力があるのではないかと思っています。

とはいえ、「社会人としての経験」があったほうがいい仕事は間違いなくあります。就職活動を長い視点で考えて、「経験値を積む手段」として考えておくのもいいかもしれません。

「何をするか」も大事、「何が大切か」も大事

就職先を決める際、職種(人事とか、事務とか、営業とか)で選ぶことも多いと思います。職種が明確な場合は選択に困らないかもしれませんが、「人の役に立つ仕事がしたい」「職場環境を改善する仕事がしたい」のような、抽象度が高い目的意識を持っていると、「何の職種が自分に最適なのか」が分からないこともあるかもしれません。

それならば、「どんな職種の仕事がしたいのかは分かっていません。けれども、私は○○の仕事をしたいと思っています。なぜなら、○○という体験があるからです」のように、ご自身が大切にしていることを伝えるのもいいのではないかと思います。

「何をするか」も大切ですが、「仕事をするうえで何が大切か(つまり、価値観)」も、大事なのではないかと思っています。

何度でもやり直すことができる

一度失敗しても、何度でもやり直すことができます。失敗は成功へのフィードバックです。

どんな体験もいい経験

意味のない経験など何一つありません。どんな体験も、必ずいい経験になりますよ。

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就職活動も大変だと思いますが、頑張ってくださいね。もし、何かに困っていて、ボクで役に立つことがあったら連絡ください。何もできませんが、話し相手ぐらいにはなれると思います。

最後に、今日訪ねてくれたIさん、遠いところまで訪ねてくれてありがとう。そして、大切なことの相談相手に選んでくれてありがとう。

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