「なぜなぜ分析」より「そもそも分析」―時代の変わり目に必要な”揺さぶる”ロジカルシンキング
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
以前、TCMの講座をやったときに、参加者の方からプレゼントをもらいました。そのプレゼントがとってもステキだったので、今でも愛用しています。
ステキなプレゼントというのは・・・モノじゃないんですよ。言葉です。質問です。その言葉というのは……「そもそも」。
「そもそも」は、当たり前だと思っていることを当たり前じゃない視点に、そして、その前提や本質、存在自体を”揺さぶる”効果があります。
たとえば……この”揺さぶる”感覚を原発問題で味わってみます。
何かしらの問題が起きたときは、その原因を考えることが重要だと言います。原因を探る代表的な問いは「なぜ?」です。
「なぜ原発問題が起こったのか」
地震の影響だとか、人災だとか、いろんな意見があると思います。もちろん、原因分析はとても大切なことです。
一方、「なぜ?」は、思考を過去の、問題の範囲にとどめてしまいます(ちなみに、NLPでは「なぜ?」という問いは基本的に使いません。なぜなら、「なぜ?」は思考を問題の範囲にとどめてしまうことに加えて、問い詰められる感じがあるので、保身や言い訳を考えたくなるからです)。
ここで、「そもそも」に登場してもらいましょう。
「そもそも、原発問題って」・・・
「原発があるから起きる」→「そもそも原発は何のためにあるのか?」→「電力が必要なため」→「そもそも電力がそんなに必要なのか?」→「経済の発展には電力が必要」→「そもそも経済は発展しなければならないのか?」→「豊かな生活のためには必要でしょ?」→「そもそも豊かな生活って何か?」
※チャートはTCMを使いました。
「そもそも豊かな生活って何か」……ずいぶんスケールの大きい問いですが、原発問題って、意外と私たち一人ひとりの「豊かさの再定義」が必要なのかもしれないです。「お金やモノの豊かさも確かに大切だけど、豊かさってそういうものだけじゃないよな……」みたいな。
「豊かさの再定義」をしたあとに、もう一度原発問題に立ち返ってみると、動かすとか、動かさないとか、そういう次元で考えていていいの?という感覚になってきます。そうじゃないです?
「なぜ?」を繰り返し考えるのも、「そもそも?」を繰り返し考えるのも、かなりロジカルで、シンプルな考え方ですけど、そこから見えてくる景色は、少し違う感じがします。多分これは、その物事の本質や存在意義まで考えたからこそ見ててくる感覚なんじゃないかと思います。「そもそも分析」はこういう、「本当は何が大切なのか?」に導いてくれるんでしょうね。
原発問題に限らず、今のような時代の変わり目にビジネスパーソンにとって必要な思考習慣は、仕事の周りにある「当たり前」だと思っていることから少し離れて、物事の本質や存在意義を”揺さぶる”思考なのではないかな~。
「なぜ」を5回繰り返し考えるのもいいですが、「そもそも」を5回繰り返し考えることで、今、本当に大切なことが見えてくるかもしれません。