「思い込み」が激しい人にかける言葉の作り方(1)―「できないことがわかっているのに強制するのはパワハラだ」にどう対応するか?
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
先日、Facebookのタイムラインを観ていたら、知人からシェアされた植松努さんの言葉が流れてきました。
一部を引用させてください(原文はこちら)。
最近、新入社員の傾向として、
入社して、ある程度なれてきた頃に、新しい仕事や、プロジェクトについてもらおうとすると、
「自分はそれをやったことが無いからできません。やったら必ず失敗します。失敗したら、自分は責任を負わされるじゃないですか。できないことがわかっているのに強制するのは、パワハラです。」と返答されてしまうケースが増えているそうです。~中略~
企業にとって、人は人財です。
だから、その価値を高めたいです。
そのためには、やったことがないことをやってもらうのは、
そこでの経験(失敗も成功も)が、成長につながる
とても重要な人材育成手法です。
しかしそれを、
「やったことがないからできません。」
「できませんったらできません。」
と突っぱねられると、その人の成長は期待できません。
それが本当に「新入社員の傾向」なのか、ボクには分かりません(少なくとも、ボクの周りには前向きな若い世代もたくさんいます)。また、実際には「本当に理不尽なことを強要されているケース」もあるでしょう。会社や組織のあり方が問題にされるべき事象もあると思っています。
一方、新入社員に限らず、「成長を期待しているからこそ新しいことにチャレンジしてほしいのに、チャレンジしてもらえない」というのは現実問題として多かれ少なかれあるなと思いました。また、適任者がいない、業務がまわらないからぜひやって欲しいのに、相手がなかなか受け入れてくれないケースもあるかもしれません。たとえば「年齢的にも適任だから、リーダーをやって欲しいのに受け入れてくれない」のような。
こういうとき、「あいつはダメだ」とか、「最近の・・・」とか、「社会として問題だ」などと愚痴りたくなりますが、それでは何も解決しない・・・というのが現実なのかもしれません。
Facebookに書かれている内容を読みながら、「こういうとき、ボクならどうするかな?」と思った瞬間・・・
ちょっと話は変わりますが、実は今、NLPの講座のテキストを作っています。NLPは神経言語プログラミングと言って、心理学の一種とか、コミュニケーションの手法と言われています。
心理学と言うと、「相手の心を読む」みたいな、ちょっと近寄りがたい、中には胡散臭く思っている方もいらっしゃるかもしれません。ボクは「相手に寄り添いながら、より良い方向へ導くコミュニケーションの手法」と言っています。実際、ボクには相手の反応から相手の状況を想像したり、感じ取ったりすることはできても、相手の心を読むことはできません。
また、心理学というとカウンセラーのような方が学ぶものだと思うかもしれませんが、コミュニケーションはどんなシーンでもベースになるものなので、これまでも経営者やビジネスパーソン、教育や医療関係者など、いろんな立場の方と一緒に学んできました。
NLPのベースは優れた3人のセラピストの言語パターンをモデル化したコミュニケーションの手法です。セラピーというと、何となく、「心身共に衰弱した人を癒す」というイメージをお持ちかもしれませんが、現実には「やっかいな人」もいます。たとえば、前向きに変わりたいからセラピーに来ているはずなのに”私はこういう人間だ”と拒んだり、思い込みが強すぎたり。ボクはビジネスパーソンを対象にしてきたのでそのようなケースはそれほど多くありませんが、それでも、何度かは経験しています。
- 「自分はそれをやったことが無いからできない。やったら必ず失敗する」
- 「失敗したら、自分は責任を負わされる」
- 「できないことがわかっているのに強制するのは、パワハラだ」
こういうのって、現実はそうとは限らないのに、その人の中ではそうなっているという「思い込み」そのものだと思うんですよね。それが相手にとって役に立つものだったらいいけれど、これらは制限になっていると思います。
まぁ、本人はそれでいいかもしれませんが、このようなメンバーがいたら、少なくともリーダーは困ってしまうでしょう。
で、前出の、「こういうとき、ボクならどうするかな?」ですが、テキストのことを思い出して、「こういうときこそ、NLPのモデルが役立つのでは?」と思ったんです。実際、テキストを作りながら、いろんなシーンを想像するのですが、その言語パターンがとても面白い。
「これが正解です」なんて言うつもりは全然ありません。心理学やNLPにありがちな、「こういうときは○○と言おう」「こういえばこう落ちる」みたいな操作的なものはハッキリ言って嫌いです。それでも、「○○のときは言葉をこう組み立てよう」という言葉作りのいくかのパターンなら、「思い込み」が激しいメンバーを抱えたときにかける言葉を考えるきっかけにはなるかもしれないな・・・と思いました。
ということで、文字だけでどこまで表現できるか自信はありませんが、明日以降書いてみたいと思っています。