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「自殺予防」―重いテーマを職場で実践しやすくするために

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

昨日は、ご依頼いただいた講演の打ち合わせ。

テーマは、「自殺予防」。

自殺予防……なんとなく、重いテーマだね。

労働者の現状について情報を調べたら、Wikipediaの「企業内カウンセラー」が一言でまとまっていました。引用します。

アメリカと同様に日本においても企業内カウンセラーの参画が進んでいる背景には、我が国の昨今の産業・労働分野におけるメンタルヘルス不調の深刻さがある[7]。例えば、1998年から年間30,000人を超え続けている自殺者のうち、生前労働者であった者は約9,000人に上り、その中ではうつ病などの「健康問題」の悩みを自殺の原因・動機とする者が第1位を占める現状となっていることに加え[8]、年齢別自殺者数では自殺者全体の約50%が、生前30代~50代のいわゆる働き盛りの世代にあった者と報告されている[8]

自殺予防……本当に大切です。だけど、繰り返しになりますが、なんとなく、重いテーマだね。

マザー・テレサは「反戦集会には行かないけど、平和集会には行くわ」と言ったそうですが、どこにテーマを置くかは、とても大切なんじゃないかと思っています。

これを自殺予防に置き換えると、「自殺をどう防ぐか」よりも、「より安心して、楽しく働ける職場を作るにはどうしたらいいか」となりますが、根っこは同じテーマでも、「楽しく~」のほうがいいのではないかと思っています。

その理由は2つあります。

  1. 自殺は結果である。結果にはそうなる原因がある
  2. 自殺にテーマをおくと、「生命を断つこと」に意識を向けることになる

1についてですが、自殺やうつを防ぐための関わり方を学ぶのも大事です(発見の仕方や傾聴の仕方など)。けれども、そもそも自殺やうつの背景には、「楽しく働けていない」があるはずです。

「自殺」「うつ」という言葉を耳にすることは増えたとはいえ、日常の中でそう触れるテーマではないので、その対応には「難しさ」や「恐れ」を抱きます。たとえば、「話を聞く」ということを扱うにしても、死を覚悟している人の話を聞ける人は少ないです。「自分の関わりで余計に悪くしたらどうしよう」とかいろいろ考えてしまって……怖いです。

一方、「安心して、楽しく働く職場をつくる」ことをテーマにするのなら、気持ち的にかなり楽です。「ちょっと声をかけてみようかな」という気になれます。同じ「話を聞く」でも関わるほうの気持ちの持ち方って大事。そうすれば職場で実践しやすいですからね。事態が重くなる前に話せる環境があることで、結果的には自殺予防になるのです。

2についてですが、「思考は現実化」するといいます。「何が望ましくないのか」よりも「何が望ましいか」ーー問題よりも解決ーーに意識を置いておきたいと思うのです。

講演では、現状は現状として、必要なことは必要なこととしてお伝えしつつ、けれども、意識的には「安心して、楽しく働く環境をつくる」お話をしたいなと思っています。そうすれば、結果的に自殺予防になるでしょう。

あなたは今日1日を楽しく過ごすために、何かできそうなことがありますか?

では、今日も仕事を楽しんでいきましょう!

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