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自分と相反する考え方ややり方の人との関わり方

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

昨日、動かないものより、動くものを動かすという記事を書きました。

そしたら、ardbeg32さんから「自分のやり方と相反するAさんに対し、自分の意識を変えること」に関するコメントをいただきました(詳しくはリンク先をご覧ください)。また、Facebookでも「ardbeg32さんのコメントに対する(竹内の)考えがききたい」というコメントもありました。

コメントでのご指摘のように、いくら自分から変えていこうと思っても

  • 相手のやり方は自分と相反する
  • 相手のやり方は多くの人から見てハチャメチャ
  • 相手の仕事のやり方や考え方を変えるのは難しそう

という人は実際にいます。仕事に限らず、地域の集まりなども含めて。たまに会う人や実害のない人ならあまり気になりませんが、もしそれが職場のような日常なら、そういう人との関わりは面倒だし、ストレスになるし、できれば関わりたくない……というのが一般的な感覚でしょう。

何が正しい答えなのか、正直分かりません。状況によって対応は違うでしょう。ボク自身、日々試行錯誤です。

正しい答えはさておき、ボクが日常意識している「自分と相反する考え方ややり方の人との関わり方」ならお話できるかな?と思ったので、うまく言葉にできるかわかりませんが、チャレンジしてみたいと思います。

「自分と相反する考え方ややり方の人との関わり方」について

「自分と相反する考え方ややり方の人との関わり方」について、私の意見では

「自分が変わる」……ことにしています。

「何でアイツのためにこっちが変わってあげなきゃいけないの?」「変わったほうが負けじゃん」という意見をお持ちになる方もいるでしょう。その気持ちが想像できます。

それでもあえて言えば、「自分が変わる」ことにしています。変われるほうが柔軟性があるし、工夫もするのでコミュニケーション力もあがります。自分の意志で選択できるので、自分の望んだ環境を作ることができます。

私の知人はこう言いました。「変わるのは弱さじゃない。強さだ」と。

そのほうが合理的だからそうするのではありません。相手の意に沿うためでもありません。私にとって最も大切なのは、「自分が楽しいと感じられるかどうか?」だからです。ずっと楽しくない、イライラしているのは嫌。楽しくしていたい……それだけです。

そうはいっても、自分の捉え方や言動を変えてもダメなこともあります。気分が悪くなったり、楽しくなかったり、空気が悪い環境に身を置かなければならないときもあります。

そのような場合「打ち合い」はしません。やれるところまでやって、ダメなら離れます。

私がこのような意見を持つようになったのは、IT業界の中間管理職時代や、地域のボランティア活動などで、「自分が変わることで周りが変わった」ということを体験してきたからです。

以下の話は実際の体験談です。ちょっと長いです。結論はお話したので、読むのが面倒臭い方はここでやめていただいて大丈夫です。

実際の体験談

では、実際の体験を2つご紹介しましょう。

1:IT業界での管理職時代の話

IT業界で中間管理職になった当初、自分の部下を目の前に、「この人は自分とは合わないな」「こんな仕事のやり方じゃだめだろう」「何でこの人のためにオレが苦労しなければならないの?」と思っていました。

自分のことしか考えていない(ように見えていた)年上のエンジニアには、「何で古い技術にこだわってんだよ」「何で人をまとめる仕事をしないんだよ。だからオレが管理職にならなくちゃいけなくなったんじゃないか」「年上なんだからもっとしっかりしてくれよ」と不平不満ばかりでした。また、部下には、「頼むからもっと自分から動いてくれよ」「何度同じことを言ったらわかるんだよ」「積極的になれよ」「もっと効率よくコード書けよ」「不具合出すんじゃねぇよ」と、やはり不平不満ばかりでした。

当時のボクは自分が変わろうなんて微塵も思っていませんでした(むしろ、自分に自信をもっていたぐらいです)。「ダメなお前が変われ」……そう思っていました。周りをなんとか変えようと、叱責したこともあります。態度に出したときもあります。

職場の雰囲気も、「楽しく働ける職場」とはお世辞でも言えませんでした。十二指腸潰瘍にもなったし、うつっぽくもなったし。

しかし、あるとき気が付いたのです。「あれ?これって、オレが今までされてきたことと同じことやってんじゃね~のか?」と。

「こう言われればやる気が出なくなるのは知っている。こういう接し方をされれば苛立ちを覚える。だけど、どうしたら改善できるのかが分からない……じゃあ、どうすればいい?」。

いろいろ調べて、行きついたのが「心理学やコミュニケーションを学ぶ」ということでした。

心理学を学んだら、「自分がなぜそう考えるのか(思考のクセ)」や「物事の柔軟な捉え方」が分かりました。思考のクセが分かったら、嫌な思いをする感情変化に気づけるようになり、感情マネジメントができるようになってきました。柔軟な捉え方が分かったら出来事と解釈を分けられるようになりました。「同じ出来事でも別の角度から見る」「前向きな別の解釈をつける」ということができるようになり、ストレスコントロールもできるようになってきました。

コミュニケーションを学んだら、「ヒアリング力」「同じことを前向きに伝える力」「抵抗感を抱かせずに伝える力」がつきました。学んだことを実践するために毎月1人30分以上、話を聞く時間を作りました。最初は「面談」みたいな空気が抜けませんでしたが、少しずつざっくばらんに話ができるようになりました。仕事で困っていること、将来のこと、時には個人や家族の借金のことまで、いろんな話をしました。いろんな話をしていくと、「なぜ、この人がこのような行動をとるのか」という背景が分かってきました。また、表面上は何も考えていないように見えていた年上の部下も、実は、会社の将来のことを真剣に考えていたことが分かりました。「そうか、わかっていなかったのはボクのほうだったのか」と思いました。

他にも、本をたくさん読んだり、自分で考えたり、仲間と相談したりして、職場がよくなりそうだと思ったことはいろいろ試しました。まぁ、それらを書き始めるとさらに長くなるので省きますが……。

言動を変えたら、少しずつですが、確かに周りが変わってくることに気が付くようになりました。年上の部下との関係がよくなり、消極的だった部下が積極的になりました。チームに一体感が生まれ、今まで強制していた勉強会を休日に自分たちで意志で開催する人が出てきました。職場の空気も変わり、顧客からも評価されるようになりました。

もちろん、失敗もたくさんしましたし、全部がそうなったわけではありませんけどね。

中間管理職になった当初、ずっと「周りに変わってほしい」と思っていました。そして、不平不満ばかりをぶつけていました。けれども、自分が変わることで周りが変わるということを知りました。

その変化を見ていた私は、仕事が楽しくなりました。

2:地域のボランティア活動での話

地域の消防団活動に参加しています。消防団とは、自分の仕事をしながら、有事のときは消防活動に関わるボランティア組織です。ボランティア組織ですから、基本、自由意思です。中には積極的に参加してくれる人もいれば、年に数回の人、1度も出てこない人など、さまざまです。

ボクは28歳のときに神奈川から帰郷したときに入団しました。

入団した当初は、消防に出るのが嫌でした。上の人からいろいろ言われるし、軍隊っぽいし、わけがわからないのにいろんなことをやらされるし、「別にお金がもらえるわけではないのに、なんでこんな面倒くさいことをしなくちゃいけないんだろう?」と思っていました。

毎年、「ポンプ操法大会」というのがあります。火災のときに使う消防車や小型ポンプの技能を競う大会です。大会なのでその練習をしなければなりません。けれども、出てくる人は限られています。選手の選考も大変です。

以前は、「アイツはどうせ出てこないから」「もっとプレッシャーをかけないとだめだ」「地域のことをわかっていない」など、参加してこない人への不満タラタラでした。そして、「アイツはだめだ」とレッテルを貼っていたのです。

しかし、あるとき気が付きました。「そもそも、自分だって最初嫌だったのに、嫌な上に強制されたら余計にいやになっちゃうよな」と。どうせやるなら楽しくやりたい。

だけど、消防の楽しさってよくわかりません。練習が終わって酒を飲んでいるときは楽しいけれど、そもそも、普段出てこない人が、いきなりそんな場に入れるわけもありません。

そこで、「自分が嫌だったことはやめよう」からはじめました。たとえば、ポンプ操法の練習は朝5時30分からです。いつも一人待たされるのが嫌だったので、一番早く行って誰かが待たされることのないようにしました。練習に来てくれるのが当然ではなく、「よく来てくれた。ありがとう」と言いました。指導も「これは違う。だめだ」ではなく、「こうしたほうがもっとよくなる」と言いました。月2回ある普段の訓練も、「来ないヤツはダメだ」ではなく、「どうすれば行きづらさを解消できるか」を考え、当日メールを入れるようにしました。「みんな仕事があるし、みんな大変なんだよ。だから、お前もやらなきゃだめなんだよ」ではなく、「忙しかったら来なくてもいい。でも、来られたらきてね」と言いました。

そうしたら、少しずつですが、練習や訓練に参加してくれる人が増えてきました。ボク一人がそうしたというよりも、みんながそんな感じでした。年齢的にも「○○ではだめだ」「○○すべきだ」「○○しなくてはいけない」みたいな「上から目線」でいう人が少なくなっていたのも幸いしたのかもしれません。

ほかの人が出てきてくれるようになるとうれしい、それで、酒飲んでいろんな話をするのが楽しい。そんな風に変わっていったのです。

まとめ

冒頭の繰り返しになりますが、「自分と相反する考え方ややり方の人との関わり方」について、私の意見では、「自分で変えられることは変えてみて、それでもだめなら離れる」ことにしています。なぜなら、私にとってもっとも大切なのは、「自分が楽しいかどうか」だからです。それに対する努力は無駄だとは思いません。

それで周りも変わってくれたらさらにOK。相手が変わることは期待しません。

いや、期待しないと言ったらウソになります。正直、相手にも変わってほしいです。けれども、相手を力づくで変えるのはやっぱり大変です。自分で変わったほうが結果的に早いと、ボクは思っています。

今日のお話でお感じになったことがあると思います。これはボクの考えなので、自分で変わることに違和感があるなら、どうぞそうしてください。自分で変わったほうがよさそうだなとおもったら、そうしてください。やってみて、やっぱり嫌だと思ったらやめればいいだけです。自分の環境を作るのは自分だから、自分のやりたいようにやるのが一番です。

あ~、すっかり長くなってしまいました。でも、考えをまとめることに役立ちました。今まで実践してきたことを紹介したくもなりました。折を見て紹介していきたいと思います。

読んでいただいてありがとうございました。

まぁ、何はともあれ、毎日いろんなことがありますが、今日も仕事を楽しんでいきましょう!

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