「売り込まれるのは好きじゃない。その思いに惚れました」―営業の見本
こんにちは、竹内義晴です。
明日、しごとのみらいオーディオセミナーの収録で中津川に行きます。
で、インタビュイーにおみやげを持っていこうと思って、近くの酒屋さんに行きました。そこのお店は、「個人商店」というよりも、「酒の量販店」と言った方がいい感じ。
そこで買ってきたのが、上越の日本酒「謙信」というお酒。なんでも、元朝日酒造(あの、「久保田」の醸造元ね)で仕事をされていた方が杜氏になっているお酒なのだとか。少量生産の限定酒なのだそうです。
「限定酒ってことは、それだけ有名なの?」と思われるかもしれません。実はボク、このお酒のことを知らなかったんです。上越にはたくさんおいしいお酒があります。ボクは、妙高の君の井や千代の光が好きなので、おみやげに持っていくなら、間違いなくこの銘柄を選んでいたはずです。
じゃあなぜ、今回このお酒を買ったのかというのが、このお話の本題。
実は、その量販店に、3週間ぐらい前に行ったんです。地元のイベントがあって、そこで飲む酒を買い出しにね。
で、酒を選んでいたら、量販店の店員さんが、「このお酒、おいしいですよ」と勧めてくれたんです。
声をかけられたとき、ぶっちゃけボクは、よくある売り込みだなと思ったんです。しつこく売り込まれるのは好きじゃありません。そこで、「あっ、わかりました」と適当に流したんです。
しかし!その店員さんは違ったのです!もう、本当に酒が好きって感じで、「実は、コレ、私が大好きな酒で毎晩飲んでいるんです。上越でもなかなか手に入らない酒で、本当においしいのでオススメしたいんです」と声をかけてきました。その様子は「売り込み」ではなく、「あ~、この人、本当にこのお酒が好きなんだな~」っていうのがひしひしと伝わってくる感じ?
でも、その時は地域のイベントで、質より量だったので、いつもの酒を買って帰りました。
で、「今回はオーディオセミナーのおみやげを・・・」と思って、酒を買いに行ったんですけど、今回こそは一生懸命勧めてくれた定員さんから、酒を買いたいと思いました。
ぶっちゃけ、銘柄すら覚えていませんでした。そこで、お店にいってその定員さんを探しました。そしたら、目が合って、「あっ、あの時の!」と声をかけてくれました。顔を覚えてくれていたんだね。すばらしい!
銘柄がわからなかったので、「贈り物にしたいんですけど、この間勧めていただいたお酒、あります?」って聞いたら、酒の前に連れて行ってくれました。そこには、前はなかった「謙信」の資料がファイリンツされていて、丁寧に説明してくれました。「あ~、この定員さん、本当にこの酒が好きなんだな~」・・・そう思ったら、思わず自分の分も買いたくなって、2本買ってしまったのでした。
で、思ったこと。
営業って、売り込むことじゃないんだね。自分が本当に好きなものだったら紹介したくなるし、飲んでほしいと思う。そういうものなんだなぁって、改めてで感じたんです。でも、普通は売り込まれて、嫌な気分になること、多いじゃないですか。だから、「この人から酒を買いたいと思わせたこの定員さん、すごいな」と思って。
だからといって、「自社の商品を好きになりなさい」というのは、筋が違うと思う。「好き」は意図するものではないし、結果論だから。嫌いな女の子を前に、「好きになりなさい」っていうのと同じだから。
でも、惚れ込んだものを仕事にできる、扱えるって、すごい力だなぁって思ったんです。「好き」が結果論とは言え、自社の商品を好きになるキッカケって何だろう?もし、商品のことを知らなかったら、まずは自分で試してみることがいいのかもね。
ボクも、そんな仕事がしたいなと、店員さんを見て思ったんです。
よし、今日はこの酒を飲むぞ!