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二念をつがない

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晴れたり、雨が降ったり、不安定な天候が続いています。新潟はまだ梅雨もあけていません。8月なら、「夏らしさ」が欲しいもの。ボクは「らしさ」が結構好きです。

こんにちは、竹内義晴です。

10時に出発する予定の飛行機に乗ろうと車で走っていたら、空港の手前で渋滞にはまり、飛行機に乗り遅れてしまった……なんてことがあったら、かなり落胆してしまいます。渋滞は恨みたくなるほどネガティブな出来事です。けれども、もし、その飛行機が墜落事故を起こしてしまったとしたら、渋滞は損どころか、「渋滞のおかげで」に変わるのでしょう。渋滞そのものは変わらないのに、時間の経過や人の解釈で、物事の意味って変わるんですね。面白いです。

人生の中でこのような出来事を経験することは滅多にないのかもしれませんが、「損だと思っていたことが、実は得だった」、もしくは、「得だと思っていたことが、実は損だった」ということはよくあるものです。

a0001_008463禅の言葉に、「二念をつがない」という言葉があるそうです。これは、「解釈を加えない」「判断しない」「損得を考えない」……肯定語に言い換えれば、「あるがままをみる」「出来事と解釈を分ける」ということですが、最近、この「二念をつがない」って大事だなと思っています。

私たちは目の前にある出来事があると、瞬間的に解釈や判断、損得を加える習慣があります。それによって感情が揺すぶられたり、冷静に考えられなくなったり、情報に振り回されてしまったりします。

しかし、これが問題。

たとえば、今、ある仕事の契約をしようと思っているのですが、当初の予定とは条件が変わり、やや厳しめの条件になりそうな雰囲気です。通常なら、ここで「最初の話と違うじゃないか」とか、「有利な条件に持ち込もう」とか、思います。

けれども、今回は、「あるがままをみる」ことができました。「条件が変わる」という出来事だけを見て、損得勘定をするのをやめることにしたのです。すると、「あっ、待てよ。今ここで厳しめの条件を交わしておくことで、後でトラブルにならないかもしれないな」「損得だけで進めたら、お互いの中で嫌な関係を築くことになるな」と思いました。「条件が変わるのも、きっと何か意味があるのだろう」との思いに至り、「ここは流れにゆだねてみよう」と。きっと、良い方向に流れるはずです。

で、冷静に考えることができた瞬間、「二念をつがない」って大事だなと思ったんです。

言葉で、「あるがままをみよう」「解釈や判断を加えるのをやめてみよう」というのは簡単ですけど、これがなかなか難しい。何でも、禅でも大きなテーマなのだそうですね。けれども、物事を客観的に見る上で、とても大切なことだと思っています。

晴れたり、雨が降ったりしていることにも、何か意味があるのかしらん?雨が多いと、やれ「あ~、損した」って気分になりがちですけど、ここは、「雨が降っている」というあるがままを見ることにして、解釈は保留することにしたいと思います。

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