人は、まだ起こっていないことに不安になる
こんにちは、竹内義晴です。
今朝の朝刊に講演会の折り込みチラシを入れました。
インターネット上での発言や顔出しは、直接知っている方から「見たよ」と言われる機会はそれほど多くないので、あまり気にならないのですが、折り込みチラシは近所のおじさんやおばさんも見るので、ちょっぴり恥ずかしかったりしています。
不安な一面もあります。「どんな風に思われるかな」とか「やんや言われないかな」とか。
不安には思うものの、実際には、まだ何も起こっていないんですよね。人は、まだ起こっていないことに不安になるんだね。
「まだ起こっていないことに不安に思うのは無駄だ。不安に思うのはやめなさい」
と言う人もいます。けれども、それが簡単ではないんですよね。すべての気持ちは、勝手に浮かんでくるものですから。
ボクに限らず、あなたも、新しいプロジェクトの立ち上げや、初めての人と会うときなと、「上手くいくかな」「失敗しちゃうんじゃないかな」など、不安に思うことがあると思います。
ボクは、いろんな感情を抱くことは仕方のないことだし、悪いことではないと思っています。感情を抱くからこそ、いろんなリスクを回避できたりするわけですし。逆に、もし、何も不安を抱かなかったとしたら、そっちのほうが怖いです。
恥ずかしさや不安な気持ちを抱いたとき、ボクは
「何が、こう思わせるんだろう?」
ということを考えることにしています。これは、本にも書いたんですけど、この問いはシンプルな問いですが、結構深い問いです。
私たちが抱く感情には、「そう思わせる何か」が必ずあります。言い方を変えれば、それがなければ感情は生まれません。そこで、
「何が、こう思わせるんだろう?」
という問いで、不安の背景にある「何か」を探します。
たとえば、今のボクの心境で実際にやってみるなら、
「何が、不安を抱かせるのだろう?」
になります。そうすると
「近所の人から何か言われるんじゃないか」「やんや言われるんじゃないか」みたいな考えが浮かびます。すると、実際には何も起こっていないので、それは単なる思い込みで、不安になる必要はないことに気がつきます。
さらに深く
「何が、”近所の人から何か言われるんじゃないか”と思わせるんだろう?」
「何が、”やんや言われるんじゃないか”と思わせるんだろう?」
と考えてみます。はっきりした答えは浮かびません。なので、この不安は手放してもいいのでしょう。
場合によっては、そこに何らかの理由が見つかることもあります。自分の感情を抱かせる背景をずっとたどっていくと、自分の考えのもとになっている核心に迫ることになるので、自分にとって大切なことや、単なる思い込みなど、いろんなことに気づくことができます。
そういえば、この間この話をしたら、「私には無理、疲れてしまいそう」と言われました。確かに、最初は疲れてしまうかもしれません。明確な答えが見つからないこともあるかもしれません。
けれども、この思考パターンが身につくと、自分の感情が生まれているのにはいろんな背景や理由があることに気づくことができるので、感情に振り回されたり、支配されたりすることが少なくなってくるんです。なので、ボクは好んでやっています。
自分が大切にしていることに気づいたときは、楽しいので。
出版感謝講演会では、今日お話したようなことに加えて、私たちの思考や感情が生まれる構造や背景、マネジメントの仕方などをお話したいなと思っています。