「なぜ、そう思うのか?」―思考の”根っこ”が分かると物事がうまく回り出す
赤信号は止まる。
当たり前です。
なぜ、赤信号は止まらなければならないのか?
それは、自動車事故に合わないようにするためです。
当たり前です。
では、歩くことができるようになった1歳の子どもが
赤信号で止まるかといったら……
たぶん止まらないでしょうね。
なぜなら、1歳の子どもは
「赤信号」=「止まる」
という知識が、頭の中にないから。
1歳の子どもの目には
赤信号がどのように映っているのでしょうか?
きっと、「赤い光を放っている物体」ぐらいに映っているのでしょう。
■子供はどのようにして「赤信号」=「止まる」を身に着けるのか?
では、1歳の子供はどのようにして
「赤信号」=「止まる」
という知識を身に付けるのか?
それはおそらく、親や保育園、学校などで
「信号が赤の時はね、止まるんだよ。車にはねられちゃうからね」
と教わるのでしょう。
そうして、私たちは
「赤信号」=「止まる」
という知識を身に付けてきました。
これは一体、どういうことなのかというと
単なる「赤い光を放っている物体」(事実)に
「赤信号」=「止まる」
という意味をつけてきたことに他なりません。
そして、大人になった今では、赤い信号を見ると
考えることなし(無意識)に、止まることができます。
■思考は人生を思い通りに動かし、人生を制限する
このように、私たちの「思考」や「行動」は
これまで見聞きしてきた情報、教わってきたこと
体験してきたことによって作られています。
「赤信号」=「止まる」
は、私たちが毎日の生活を安全に過ごす上で
なくてはならない意味づけです。
これは、とても大切。
けれども、こんな意味づけは
私たちの毎日にいろんな制限を生み出しているのかもしれません。
たとえば……
「わたし」=「何をやってもダメなやつだ」
「わたし」=「どうせうまくいくはずがない」
「しごと」=「楽しくないものだ」
「新しい事業」=「うまくいくはずがない」
そのほか、「○○すべきだ」「○○しなければならない」
「きっと○○は○○に違いない」「どうせ○○」のような言葉で
表現されるものもそうでしょう。
そして、赤信号がそうであるように
多くの場合、ほぼ「無意識に」考えや思いが浮かんでしまいます。
この「無意識に」というのがやっかいです。
なぜなら、ほぼ自動的にそう思ってしまうので
自分の意識では気が付けないのです。
だから、これを「自分の性格」だと思い込み
「私はマイナス思考だ」と思ってしまっています。
もし、何を見ても「わたしはダメだ」
「もっと○○しなければならない」と思ったら
あなたをメンタル的に追い込んでしまうことにならないでしょうか。
もし、「また失敗してしまうかも」
「新しいビジネスはうまく行きっこない」思ったら
経営者の行動を止めてしまわないでしょうか。
(その結果、ビジネスの成功にはつながりません)
■"根っこ"が分かると、物事がうまく回りだす
はっきり言いましょう。
あなたの性格がネガティブだから
マイナス思考なのではありません。
あなたが実際にそうなのではなく
今まで教わったり、体験してきた何かによって意味づけされた
「思考のクセ」があなたをそう思わせるのです。
このような、「考え」や「思い」が生まれる
"根っこ"(根本原因)の部分が分かることで
様々な課題や問題が好転しはじめるシーンをたくさん見てきました。
(いろんな制限が外れるので、生活や仕事も好転しはじめます)
逆に、"根っこ"が分からずに
表面的なテクニックで意識を変えようとしても
なかなかできるもんじゃありません。
それはまるで、木の根元に原因があるのに
それでも見た目を美しくしようと
一生懸命葉っぱに緑色のスプレーをかけてしているようなものです。
参考までに……
このような問いが
"根っこ"の部分を引っ張り出すのに有効です。
- 「いつからそう考えるようになったのか?」
- 「どこからそれをもらったのか?」
- 「これは、本当にそうなのか?」
- 「何がそう思わせるのか?」
"根っこ"の部分が分かると、実際どうなるのか
具体的な例をお話すると……
と、続きを書こうと思ったのですが
ここまででだいぶ長くなってしまったので
この続きはまた別の機会(明日?)にでも。
■追伸
私がコーチングやカウンセリングでやっていることは
実は、この"根っこ"の部分を引っ張り出して
制限を取っ払うことなんですよね。
私は、みなさんの才能あふれた「本来の姿」に
気づいてほしいだけなのかもしれません。
あと、トライアングルコミュニケーションモデルで考えるのもそう。
私自身、いろんな「思考のクセ」や「思い込み」があって
これが行動を止めたりするので、解くことにやっきになっています。
「やっき」なんて書くと、ネガティブな響きがあるかもしれませんが
それは、いろんな制限を取っ払って
「本来の自分」を知る、楽しい作業でもあります。