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先輩の「攻撃的な言葉がツライ」を変える6つの対処法

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先日、むやみに批判しない―情報に触れる際の感情マネジメントという記事をアップしました。
とってもたくさんの方に「いいね!」をいただきました。ありがとうございました!

この記事は、私が発行しているメルマガでも配送したのですが
読者の方(仮にAさんとします)から次のような声をいただきました。
(個人を特定できないよう、一部編集しています)

 私は今、攻撃的言葉を受けている状態です。10年以上勤めた仕事を辞めて憧れの○○のお店で働く事になりました。が、そこの先輩の一人に攻撃的な言葉を言われて毎日が憂鬱になってしまいました。。
 仕事が出来ないのでイライラしているのは解るのですが…他の先輩から上司に連絡が入り、注意されたみたいで更に攻撃的になってしまいました。
 結局、辞める事にしましたが、転職先でもまた攻撃的な言葉を言われないか凄く心配で次に進めません。
 攻撃的な言葉でどれだけ傷付いているか言っている方は解らないでしょうね。私も気を付けていきたいと思っています。

あなたも、Aさんのような体験をされていませんか?大丈夫?

そこで、今回は
「攻撃的な言葉がツライ」をよりよい状況に変える対処法についてお話します。
 
 

事実を把握する―相手のことは変えることができない

Aさんのように、相手が攻撃的な環境にいると本当に嫌なものですね。
私も精神的に追い込まれるほど威圧的な上司の元で働いていたことがあるので
その気持ちがとてもよく分かります。

このような場合、
「もっと違う接し方があるだろう?」
「もっと優しく接してほしい!」
などのように、先輩が変わってくれることを誰もが願うと思います。

でも、Aさんがすでにおっしゃっているように
多くの場合、こちらがどれだけ傷ついているか言っている方は解らないし
先輩に変わってほしいと願っても
なかなか変わってくれないのが現実だったりもします。

なので、よりよい状況を作るためには(少し厳しい言い方になりますが)
「相手を変えることはできない」という事実を、知っておく必要があるんじゃないかと思います。
 
 

よりよい状況に変える6つの対処

「相手を変えることはできない」では何も変わらないので
「攻撃的な言葉がツライ」を、よりよい状況に変えていくために
いくつかの対処法を考えてみました。

その方法とは

1:「話す」を意識して気持ちを「放す」
2:「どんな職場が望ましいか」を意識する
3:自分の中で「上から目線」を作る
4:「私のことばかりを指摘するのか」を疑ってみる
5:より良い方法を考え、提案する
6:自分の周りから変えていく

1~4は、自分の気持ちを落ち着かせる方法。
5~6は、環境を改善する方法です。
 
 

1:「話す」を意識して気持ちを「放す」

嫌な出来事があって気持ちが前向きになれない場合
その出来事を振り返り、
「嫌だなぁ」とその気持ちを振り返ったりすることも多いでしょう。
(これを、専門用語では自己対話、内部対話などと言います)

内部対話は時に、気持ちを自分の内側に留めてしまいます。

このような場合、意識して「外に出す」ということをするといいでしょう。
友達に話す、車の中のような他の人に迷惑にならないようなところで
「バカヤロー」と大声で叫ぶなどです。

人は、「話す」ことによって、気持ちを手「放す」のです。
 
 

2:「どんな職場が望ましいか」を意識する

Aさんがおっしゃっているように、一度ひどい体験があると
「また、同じことが起きないか」と心配になるのは自然なことです。

けれども、環境が変われば
同じことが起きるということはまずないから大丈夫。

それよりも、「また、同じことが起きるんじゃないか」と
意識しすぎることのほうが心配です。

好ましくない出来事を意識すると
暗い表情になり、おどおどした感じから
自信がないような雰囲気が漂ってきます。
すると、前の職場と同じ出来事を引き寄せてしまう危険性を高めます。

だからと言って「自信を持ちなさい」というアドバイスもいいのですが
それができたら苦労しないのですよね。
自信は「持つ」ものではなく「湧いてくる」ものだから。

そこで、「望ましくない姿」を意識するのではなく
「どんな職場になったらうれしいか」という、望ましい姿を意識し
笑顔で働いている情景を具体的にイメージしてみましょう。
 
 

3:自分の中で「上から目線」を作る

先輩にホンネを伝えられれば改善が期待できるかもしれませんが
先輩が威圧的な人でなかなかホンネを言えないシーンもあります。

そのような場合、自分の気持ちを落ち着かせるために
イメージの中で、「上から目線」を作ってしまうという方法があります。

たとえば
嫌な先輩をイメージの中でミニチュア化し、手のひらに乗せてみます。
よく、「男性は女性の手のひらで転がされているのがいい」
なんて言いますが、そんなイメージです。

ミニチュア化することで俯瞰的に見え
どんなに威圧的な人でも、大したことがないように見えることがあります。
そこで、先輩に言いたいことをぶつけてください。

最後に
「私があなたを上司にさせてあげているんだぞ(いるのよ)」
と、手のひらの上にいる先輩に「上から目線」で言ってやりましょう。
なぜか、気分が落ち着いてくるから不思議です。
 
 

4:「私のことばかりを指摘しているのか」を疑ってみる

いつも指摘されていると
自分ばかりが言われているような気になるのは
不思議なことではありません。

けれども、周りから見ていると、
「あの人はいつもそうだよ、別に○○さんのことを責めているわけじゃないよ」
みたいなシーンもあるかもしれませんし
意外と、先輩はこちらが思っている以上に
気にかけている場合もあるものです。

そこで、「先輩は本当に私のことばかりを指摘しているのか」を
疑ってみるのもいいかもしれません。
意外と、周りの人も同じかもしれませんよ。

なお、これは「見方を変える」ことに役立ちますが
すべての場合には当てはまらないかもしれません。念のため。
 
 

5:より良い方法を考え、提案する

仕事をしている以上、誰もが楽に、効率的に仕事をしたいはずです。
そこで、仕事の中を観察し

「こうしたら、もっと楽にできるんじゃないか?」
「こうすれば、もっと早くできるんじゃないか?」

ということを考え、先輩に提案してみるのはどうでしょうか?
自分のできる範囲で、実際にやってみるのもいいかもしれません。
よりよい姿に改善できれば、先輩からの評価も上がるかもしれません。

提案しても受け入れてもらえない場合は、提案は提案として行ったうえで
その後はしばらく待ってみるのはどうでしょうか。

Aさんの場合も「他の先輩から上司に連絡が入り……」とあるように
他の先輩はちゃんと見てくれているものです。
仕事をよりよくする提案を受け入れない先輩は、そのうち目の前からいなくなるでしょう。
 
 

6:自分の周りから変えていく

もし、先輩が変わってくれなければ
自分ができることからやってみるのはどうでしょうか。

たとえば、あいさつ。

「あいさつは大事だ」というのは誰もが知っていることですが
毎日あいさつができている人は、それほど多くありません。

そこで、昨日より少し早く職場に行って、少し笑顔で、少し大きな声で
少し目を見て、少し多くの人にあいさつしてみるんです。
自分のできることで構いません。

そのうち、同僚の反応が変わってくることに気付くはずです。
そうすると、先輩に頼らなくても、
自分の周りから職場を変えることができます。
 
 
今日は、Aさんからいただいたお話をもとに
職場をよりよい状況に変える6つの対処についてお話しました。

全部が有効か分かりませんが
できそうなことがあったら試してみてください。

ツライ体験をした人ほど
近い将来、きっとすばらしいリーダーになります。
なぜなら、その体験を通じて、上に立つ人の「あり方」を学ぶからです。

先輩など、周りが変わることを願う人がほとんどです。
なぜなら、自分が変わるのが一番大変だから。
でも、自分が変わるのが一番大変だからこそ
できることをやってみることに価値があるんだと思いますし
実際に行動を起こせるあなたがすばらしいんです。

あなたも仕事のなかでいろんなことがあると思いますが
どうか、自分の足で乗り越えてください。

もし、一人で解決できなければ相談してください
一緒に解決しましょう。
 
 
なお、状況が深刻なときほど、一人で乗り越えるのが難しいことがあります。
そのような場合、第三者の手を借りることも大切です。
自分に手をかけることを惜しまないでください。

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