「お金」と「評価」は違うもの?―社会貢献活動を「お金から逃げる理由」にするな!
NPO法人を経営していると
ボランティアや社会貢献活動に興味を持っている方と話をする機会があります。
これらの方とお金についてのお話をすると
「お金が絡むとろくなことがない」
「お金はそれほど必要ない」
「お金よりも人の幸せのほうが大事だ」
というような意見をよく伺います。
お金にこだわる = 心がさもしい
お金にこだわらない = 心が清らか
というような「お金への罪悪感」が、どこかしらにあるのかもしれません。
でも、いろんな活動や事業を行うためにはお金が必要なので
助成金や寄付金頼りの人や団体も多いようです。
■お金と評価
最近、評価経済社会という言葉をよく耳にします。
今後の評価資本は、「お金」から「評価」に変わっていくという考え方です。
このような考え方が広がりつつあるので
余計に、「お金よりも評価」「お金よりも社会貢献」というイメージがあるようにも思います。
「お金」 vs 「評価」
という分かりやすい構造にしてしまうと、いかにもお金が悪者のような印象を抱きますが
お金は、多くの人の役に立ったことによって得られた対価でもあるはずです。
そういう意味では、
「お金」 ≒ 「評価」
という側面もあるわけです。
今の「お金」は、人を蹴落としたり、自分の利害関係を考えることで得ている人もいます。
そういう意味では、信頼や人を幸せにすることだけでは測れない側面があるのも事実です。
だから「お金」=「悪者」にしたくなる気持ちも分かります。
でも、「お金」が、信頼や人を幸せにした「評価」によって得られるのならば
「お金」も「評価」も、それほど大きな違いはないのではないかなぁと思ったりもします。
■お金から逃げるな!
人から信頼されるのは本当に大変で、それをお金に変えるのはさらに大変です。
ひょっとしたら、お金を得るのは、評価を得ることよりも大変かもしれません。
大変だからこそ、そこから学べることがたくさんあると、私は思います。
その力はつけておいて損はありません。
だから私は、「社会貢献を理由にして、お金から逃げるな!」と言いたい。
いくら評価経済社会になったからと言って
お金が急に無くなるわけではないし、何もしないで評価が増えるわけではありませんしね。
また、お金を稼ぎ使うことだって、いろんなモノやサービスがまわり
多くの人が(モノに限らず)豊かになれる立派な社会貢献のはず。
「お金」と「評価」が、信頼や人を幸せにすることで生まれるのならば
社会貢献を「お金を稼がない理由」にしてはいけません。
特に独立している人が「本当に社会貢献がしたい」と願うなら
お金を稼ぐことから逃げてはいけません。
お金と真剣に向き合いましょう。
■追伸
文中にある「評価経済社会」については岡田斗司夫のご著書が詳しいです。
岡田さんのご著書は「お金」と「評価」だけではなく
さまざまな社会的な課題について取り上げられています。
私個人的にも、今後は評価経済社会になっていくのだろうなと感じています。
(モノを消費するしかない経済は、もういいや……って感じ)
この記事では、評価経済社会について批判したかったわけではなく
最近見聞きする情報が、お金から逃げているように感じられることが多くあったため
「お金」の対極として引用される「評価」について取り上げました。