「コーチングって何だろう?」―ボクにとってのコーチングの意味を考えてみた
前回、何がコーチングのイメージをここまで落とさせたのだろう?というお話をしました。
実はボク、普段はコーチングという言葉をあまり使うタイプではありません。なぜなら、コーチングは目的ではなく、手段だと考えているので、コーチングが主語になることはあまりないんです。
けれども、前回の記事を書いたら、「ボクにとってのコーチングって何だろう?」という思いを抱きました。
そこで、今回は、「ボクにとってのコーチング」をまとめてみたいと考えました。
■コーチングの一般解
ボクのお話をする前に、一般的なコーチングの解釈について触れてみたいと思います。
コーチングとは、人材開発のための技法のひとつ。「コーチ」(COACH)とは馬車を意味し、馬車が人を目的地に運ぶところから、転じて「コーチングを受ける人(クライアント)を目標達成に導く人」を指すようになった。よく知られたところではスポーツ選手の指導があるが、現在では交流分析や神経言語プログラミング(NLP)などの手法を取り入れてビジネスや個人の目標達成の援助にも応用されている。
また
コーチングを一言で言うと「人を育てるための一つの方法」である。 育てるということについてはさまざまな解釈が可能。 スポーツであれば技能が向上する、プログラミングであればそのスキルが向上する、ビジネスであれば営業や専門職などである。また、精神面での成長も「育つ」というように考えることができる。 学習により人間は成長し育つが、学習しても身につかないことは多くの人が体験していることだろう。 コーチングでは、モチベーションを重視し、人が自ら学習し育つような環境を作り出し、個人をのばし、自ら問題を解決していけるようになることを目的としている。 スポーツ界での活用が注目されている。
となっています。
Wikipediaの定義では、「コーチングを受ける人(クライアント)を目標達成に導く人」「人を育てるための一つの方法」とあるように、コーチは「目上の人」のような印象がありますね。
また、何かこう、「よし、目標達成のために頑張ろう!」みたいな、すごくモチベーションが高くて、比較的自分で行動できて……というようなイメージもあります。
■ボクにとってのコーチング
さて、ボクにとってのコーチングとは何かを、最近はまっている思考法で考えてみました。
実際の仕事の中では、「目標達成!」と声高らかに叫ぶシーンよりも、むしろ、「目標は確かにあるけれど、あまり上手くいかない」「やろうとは思っているのだけれど、自分ひとりじゃどうも……」「これまでは自分の考えでやってきたけれど、なかなか結果が出ない」みたいなことが結構あります。
だからこそ、第三者の視点やサポートが必要で、このようなシーンでコーチングが必要なのではないかと思っています。ボクもこのような体験をたくさんしてきたので、コーチは「目上の人」というよりも、「同志」と言ったほうがしっくりきます。
ボクにとってのコーチングを、言葉で定義してみました。
「現状、起こっていることに向き合った上で、関わるみなさんにとって望ましい姿(ハッピーなこと)とはどんなことなのかを明確にし、望ましい姿が実現できるようにリードすること」
具体的には……
- 【現状の明確化】
関わった方に何が起きているのかをヒアリングすることで、現状を具体化し、共通認識を深めること - 【本質の明確化】
具体的に問いかけ、まだ言葉になっていない「課題の本質」を見い出すこと - 【視点を変える】
起きている出来事に前向きな意味や価値があることを示すこと - 【理想の視覚化】
どうなったらハッピーなのかを、具体的に見い出すこと - 【目的の明確化】
ハッピーになることは、どんな意味があるのかを明確にすること - 【行動の具体化】
ハッピーな状態から現在を眺め、新たな行動の選択肢を見い出すこと - 【最初の第一歩】
小さな第一歩を踏み出すサポートをすること
このような関わりをコミュニケーションの一連のプロセスを通じて行うことによって、関わるみなさんにとって望ましい姿が実現できるようにサポートすることが、ボクにとってのコーチングです。
ここまでまとめてみて、ポイントは「相手にとって」と「会話の目的とプロセス」かなと思います。