The map is not the territory. ― 地図は領土ではない
こんにちは、竹内義晴です。
オルタナブロガーの高橋 誠さんが
ポジティブ思考で大事なのは、事実と感情と思考をきちんと分けること
という記事を書いていらっしゃいました。
事実と感情と思考を分けること、大事ですね。
ボクがトレーナーとして関わりのある
NLP(神経言語プログラミング:コミュニケーション心理学)には
地図は領土ではない
The map is not the territory.
という言葉があります。
「地図は領土ではない」という直訳では、意味がピンときませんが、この言葉には
「抱いている感情や意味は、実際の出来事とは関係がない」という意味があります。
分かりやすい例が、天気です。
雨の日には、私たちは「今日は天気が悪くて嫌ですね」という表現をよく使います。
けれども、気象予報士は、雨の日を「天気が悪い」とは表現しないそうです。なぜなら
ある人(たとえば、運動会を楽しみにしていた子供のような)にとっては「悪い」ものでも
ある人(たとえば、雨を待ちわびている農家のような)にとっては「良い」ものである場合があるからだそうです。
これが意味しているのは、雨という出来事自体に「悪い」「嫌」という意味合いはなく
雨に意味をつけているのは私たちということです。
でも、このようなことをいくら頭の中で分かっていたとしても
楽しみにしていた運動会の日に雨が降ると、やっぱり、残念に思うんです。
ここで、「雨でもポジティブに考えましょう」「ポジティブな人は、そういう風には考えません」
と言われても、残念なものはやっぱり残念で、なかなかポジティブには考えられないのが現実です。
生じる気持ちはしかたのないもの。残念でいいのです。
一方、ずっと残念、残念と雨をうらんでいても、天気は晴れに変わらないもの。
雨を晴れに変えることはできないけれど
気持ちなら、雨から曇りに、曇りから晴れに変えることが、できるかもしれません。
「雨は確かに残念だったけれど、雨のおかげで得したことは何だろう?」
「もし、雨にも価値があるとしたら、それは一体なんだろう?」
このようなことを考えてもいいでしょうし
「何が、こんなに残念に思わせるのだろう?」
と、わたしに残念な気持ちを抱かせる、根底にある肯定的な気持ちを探してもおもしろいです。
今まで、とても一生懸命練習してきた、肯定的な気持ちに気がつくことがあれば
気持ちは雨から曇りに変わることが期待できます。
もちろん、すぐに答えが見出せないことも、あるかもしれません。
特に、その体験がネガティブ(と感じている)ときほど、そうです。
毎日仕事をしてりゃあ、いろんなことがありますよね。
けれども、現実の体験を変えることよりも
現実を体験するプロセス(意味)を変化させる能力のほうが価値あることが多いようです。
あっ、そうそう。
先日、このお話に関して、仲間がとてもすばらしい体験を教えてくださったので
次回は、そのお話をご紹介したいと思います。