周囲から「拒否」「変人扱い」されず、身に付けたスキルを実践する方法
こんにちは、竹内義晴です。
新潟市で開講していたコミュニケーショントレーニングが今日で終了します。
10日間のトレーニング、長丁場でしたね。お疲れ様でございました。
みなさんに囲まれて、私もとても楽しいトレーニングでした。
学んだことをぜひ日常で生かしていただきたいので、
学んだ知識やスキルを日常で実践するための、
ちょっとしたヒントをお知らせしたいと思います。
コーチング、カウンセリング、ファシリテーションなど
何かのスキルを身に付けると
早く、職場や周りの方々の前で披露したくなるものです。
コミュニケーションスキルに限らず
ITの最新スキルもそうですし、さまざまなビジネススキルもそうでしょう。
セミナーで学んだあの感動を、周りの人にも知って欲しいし
早く周りの人の役に立ちたいのですよね。その気持ち、分かります。
けれども、そのはやる気持ちをちょっと抑えて、私の話を聞いてください。
学んだスキルを周りの人に伝えるときに
多くの方がやってしまう失敗があります。
それは、「学んできたことを表に出しすぎてしまうこと」です。
たとえば、このような言葉です。
「実は、コーチングを勉強したんだ。ちょっと、やらせてくれない?」
「今、コミュニケーションを勉強しているの」
「会議を活発にするファシリテーションっていう方法があってさ~」
相手の方が、同じようなことに問題意識や興味を持っているのなら
すぐに分かり合えるのですが、
一般的に、興味を持っている方は少なく
(ましてや、自分の時間とお金を投資して勉強しようと思う方はさらに少なく)
変に専門用語や、耳にしたことがない横文字を耳にしようものなら
「コーチング?それってなに?」
「またあいつ、セミナーかなんかに行ってきたらしいぜ」
のように、警戒心を抱かれてしまいがちです。
あまり一生懸命になりすぎると
「なんか、宗教みたい」などと言われ、もはや変人扱いです。
このように見られてしまうと
せっかく身に付けた知識を職場で実践することが難しくなってきます。
コミュニケーションスキルだけではありません。
IT業界では「クラウド」は最近当たり前に使う言葉ですが
まだまだ、一般的に浸透している言葉ではありません。
ビジネススキルなら、「SWOT分析をやりましょう」なんて
お客さんの前でいきなり言おうものならアウトです。
でも、このような「意味不明な言葉を使ってしまう」というのは
本当によくやってしまいますよね。
変人扱いされるのは、結構悲しいです。
では、学んだスキルを実践するためにはどうしたらいいのでしょうか?
日常で実践するなら、「さりげなく始める」……これがポイントです。
ポイントをさらに具体的にすると
・誰でもわかる言葉を使う
・部分的に始める
・無理強いしない
・批判しない
あたりでしょうか。
■誰でもわかる言葉を使う
誰でもわかる言葉を使うというのは、
言い換えると「専門用語を使わない」ということです。
たとえば、コーチングを勉強してきたのなら
「コーチングっていうのがあってさ~」というと
コーチングを知らない方は、意味不明な横文字に警戒心を抱きます。
わざわざ「コーチング」なんて言葉を出さなくて大丈夫。
会話の中で、「○○さんは、どう思ってるの?」と、意識的に問う。
これだけでいいのです。
「○○さんと話していると、なんだかいろんな気づきがありますね」
「○○さんって、話しやすいですね。何か勉強でもしているんですか?」
みたいな言葉が出て、相手が興味を抱いていると分かったとき
「実は、コーチングっていうのを勉強しているんだ」
と言えばいいのです。
■部分的に始める
部分的にはじめるというのは、言い換えると、
「いきなりすべて持ち出さない」ということです。
たとえば、ファシリテーションを勉強してきたのなら
「今から、ファシリテーションをはじめます」
(↑この言葉自体、知らない人は警戒心を抱かれます)
「ファシリテーションのやり方は、○○で、○○がルールです」
のように、風呂敷を全部広げられたら
聞いているほうは面倒くさくてたまりません。
このような失敗をしないためにも、部分的なことからはじめるのがオススメです。
たとえば、「話をまとめるために、ホワイトボードに書きますね」
と、さっと前に出て行き、ホワイトボードに書き、
議論を「見える化」することだけでも、立派なファシリテーションです。
キーワードがいくつか出ているのなら○で囲めばいい。
これでグルーピングができます。
このように、一度に風呂敷を広げるのではなく
小さいことからさりげなくはじめれば、警戒心は抱かれずにすみます。
「○○君がホワイトボードに書いてくれると分かりやすいな。
何か、勉強でもしているのか?」と聞かれたらこっちのものです。
「実は、会議術を勉強しているんです。その方法をファシリテーションと言います」
などと言えばいいのです。
■無理強いしない
コーチングを勉強した人が、最初に犯しがちなミスは
「何でもかんでも質問型のコミュニケーションで問いかけてしまう」こと。
確信をつく質問は、「お~、そうきたか!」と唸りますが
あまりしつこく質問されたときの「ウザさ」といったらありません。
「相手がが少し嫌な顔をし出した」「何か、雰囲気が変わってきた」
と思ったら、無理強いをせず、さっと手を引く潔さも必要です。
■批判しない
新しいスキルを身につけると、
他の人のやり方に「そんなやり方は良くない」といちゃもんをつけたり、
急に上から目線になる人もいます。
以前、PCのデスクトップの整理術の本を読んだ奴が
私のPCのデスクトップを覗き込み、並んでいるアイコンを見てこう言いました。
「よくそんな汚いデスクトップで仕事ができますね」
私は、私なりに整理しているので「放っておいてくれ!」って思いましたよ。
他の人は、他の人のやり方・やりやすい形があります。それでいいのです。
相手のやり方を尊重するやさしさも必要です。
息を切らさずに書いてきたら、少し長くなってしまいました(汗)。
もし、上に書いたことで当てはまることがあっても心配しないでください。
これ、全部ボクが体験してきた失敗なので(笑)。
新しいことを学ぼうとする姿はすばらしいですね。
自分の時間とお金を投資して勉強されるということは
あなたが周りの人を大切にして、自分も大切にしているという証拠です。
学んだ知識やスキルが、日常で活かさせることを願ってやみません。
そのためにも、「さりげなく」はじめましょう。