リスク管理と結果論―不安定な世界を柔軟に生きる
台風、地震のような天災から、ビジネス上に起こることまで
さまざまな問題・課題が起こっていますね。
であるからこそ、リスク管理が重要視されるのでしょうね。
けれども、最近、テレビやさまざまな情報で耳にする
「なぜ、もっと事前に考えておかなかったのか」
「もっとリスクを考えて、事前に対処しておくべきだ」
というような言葉に、少し違和感を覚えることがあります。
事前にリスクを考えておき、できうる対処をしておくことはとても大切なこと。
問題や課題が分かっているのに、対応をしていないのは問題です。
けれども、どんなに対処をしても、想定外のことは起きるもの。
結果論なら、いろいろと言うことはできますが
何でもかんでも「事前に考えておくべき」と責めたてるのは、
無理があるんじゃないかとも思うんです。
たとえば、先日、大きな台風が来ました。
「強い風が吹くのではないか」
「堤防が決壊するのではないか」
「電車が止まってしまうのではないか」
あらゆる想定をすることができます。
風対策をしたり、土のうを準備したり、早く帰宅したりするなどの対処ができます。
けれども、どれだけ、考えられる対処をしても
それで絶対に大丈夫ということはありません。
大丈夫ではない場合もあれば、大丈夫な場合もある。
それこそ、台風がきてみないと分かりません。
けれども、いざ、問題が起きると
「台風が来ると分かっているのに、なぜ、事前に対処しなかったのか」
という議論になりがち。これは、結果論だと思うんです。
どんなに論じても、後悔が生まれるだけで、問題の解決にならないと思うんです。
私たちは、何が起こるかわからない不安定な世界で生きています。
どんなに想定しても、それで絶対ということはありません。
想定外のことは起きることを前提にしておくこと。
そして、想定外のことが起きたとき、
どうすれば解決できるかを考え、柔軟に対応すること。
すべてが理想どおりに行くわけではないので
そのぐらいの柔らかさがいいんじゃないかと思っています。