『「定年まで勤務」初の5割超え』ー安定とは、何か
こんにちは、竹内義晴です。
今朝の新潟日報(新潟の地方紙)を見ていたら
こんな言葉が目に飛び込んできました。
「新入社員強まる安定志向」
「定年まで勤務」初の5割超え
内容を読んでみると
転職については、「多少不満があっても我慢し、転職すべきではない」
地位については「こだわらない」が5割
だいし経営コンサルティングが行った、
新入社員の意識調査の結果だそうです。
記事は、こんな形でまとめられています。
「厳しい就職戦線を肌で感じ、せっかく入社できた会社で勤めたいという
意欲が感じられる、転職にも否定的で安定志向がより鮮明になっている」
新社会人の気持ち
多くの賢者は、「目標が大切だ」と言います。
けれども、現実には、かつての私がそうだったように
学校を卒業する20歳前後で、将来の目標を持っている人は
あまり多くありません。
将来の目標があるわけではないから、
何を仕事にしたらいいのかわからないし、
みんな、悩むんですよね。
だから、「とりあえずは、安定した会社に入っておこう」
そう思うのですよね。
親御さんの気持ち
一方、子供の就職について、親御さんはどのように考えるのでしょうか。
このような感じなのかもしれません。
「社会が不安定で、就職も厳しい。
子供には、できれば、安定した暮らしをして欲しい
だから、会社に入ったら辞めないほうがいい。」
子供の幸せを願う親御さんなら
「安定した会社に、長く勤めて欲しい」と思われるのも当然です。
また、私の世代以上は、多くの会社がまだ終身雇用制でしたし
「同じ会社で勤め上げる」という価値観が一般的です。
子供たちは、親からの教えも参考にしているのかもしれません。
終身雇用と時代背景
日本の会社は、かつて、終身雇用が当たり前でした。
家族を守るために、1つの会社で勤めあげる。
多少嫌なことがあっても、頑張る。
退職したお父さんに、お母さんが
「長い間、お勤めご苦労様でした」とビールを注ぐ……
そんなシーンが、テレビで放映されている時代でした。
労働者からしてみれば、生涯働くのが当たり前で
会社側もそれが前提でした。
だからこそ、
労働者は会社を愛しましたし
会社側も社員を大事にし、育てました。
けれども、現代は、終身雇用制は崩壊したと言われています。
内閣府経済社会総合研究所の研究グループによれば
年功賃金と終身雇用を企業が維持することが困難になったとする
研究結果をまとめています。
労働者が定年まで働きたいと思っていたとしても
会社側はそういう体制ではなくなってきているようです。
それはまるで、恋愛関係のようです。
一人は、「私はあなたのことがずっと好き」
一人は、「今は好きだけど、将来嫌いになるかも。そのときはごめんなさい」
会社に長く勤めることが「安定」なのか
新聞の記事によれば、多くの新入社員が安定を求め
長く働くことを望んでいるようです。
ここには、
「会社はずっと安定している」
「終身雇用される」
という前提があるような気がします。
けれども、今は、安定なはずの会社自体が
いつ不安定になるかわからない時代です。
また、みなさんもご存知のように
自然災害によって、一瞬にして窮地に追い込まれることもあります。
このような中で、「安定とは何か」を、改めて考えます。
不安定な社会を、安定したこころで歩む
先日、新潟県上越市で多くの会社を経営されている
大島誠さんにインタビューさせていただきました。
(私はこれまで、自己啓発書を何十冊と読んできましたが
大島さんの声は、自己啓発書数十冊以上の価値があります。
よろしかったら、上のリンクをクリックして聞いてみてください。)
大島さんは
「この時代、会社が生き残っていくためには、
不安定の方向を選択しろと言っています。
今の時期、変化を自ら望んで、自ら身を投じるべきです。
これは、個人でも同じです。」
とおっしゃっていました。
私も、大島さんの考えに賛同します。
最近私は、
「不安定な社会を、安定したこころで歩む」という言葉が好きです。
それはまるで、波が高い海をサーフボードで軽快に波乗りする
サーファーのようなイメージです。
海は、凪(なぎ)のときばかりではなく
時には、台風が来て、波が高くなるときもあります。
つまり、私たちの環境というのは、本来は不安定なものです。
不安定な中でも、楽しみながら波乗りできたらいいな~と
アラフォーのおっさんになった今も、
波の乗り方を(時に海に落ちながら)練習している……そんな感じです。
若い世代のみなさんへ
もし、これから社会人になる学生のみなさんや
会社に入って間もないみなさんと話す機会があったら
こうお伝えしたいです。
「安定を望む気持ち、よく分かります。
けれども、安定ばかりを求めていると、
いざ、突然不安定になったときに体が硬直し、
身動きができなくなってしまいます。
ですから、不安定の中にいることを恐れないでください。
不安定とは、変化のことです。
目標なんてなくても大丈夫。変化があれば自然と見えてきます。
ですから、変化を恐れないでください。
『不安定な社会を、安定したこころで歩む』
これが安定だと、私は思っています。
力を抜いて、リラックスして
今、できることを一生懸命やってください。
そして、楽しく仕事をすることを選択してください。
それが、不安定社会の中で
楽しく仕事をしていくコツだと、私は思います。」
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