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復興相辞任を職場にどう活かす?リーダーのコミュニケーション力の重要性

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昨日、復興相が辞任されました。

先日の被災地での言葉には大変驚きましたが、
それ以上に、昨日の辞任も驚きました。

このような事態を目の当たりにすると、
リーダーの言葉って重いな~と、改めて実感します。

私も過去には、立場こそ違いますが
「発言を取り消せるものなら取り消したい」
と思ったことは数知れません。
いくら、真意は違っていたとしても、
一度発した言葉は、取り消すことが叶わないのが苦しいのですよね。

今回のようなことは、要職に限らず、
組織のリーダーにも同じことが言えるのではないかと思います。
日常の仕事の中でも、似たようなシーンがあるのではないでしょうか。

たとえば、

・大事な打ち合わせにスタッフが遅れてきた
・スタッフが本来やるべき周囲とのコンセンサスを取っていない

などのようなシーンがそうですよね。
このような場合、みなさんなら、スタッフにどう伝えますか?

もし、

「今、後から入ってきたけど、大事な会議に遅刻するなよ」
「課でコンセンサスを得ろよ」

とスタッフを叱責したとしたら、一生懸命やっている人ほど
「もう少し言い方があるんじゃないか」
と思うのではないでしょうか。

しかも、会社のリーダーの場合は、
「もう少し言い方があるんじゃないですか!」
と、スタッフから直接指摘されることはあまりありません。
その結果、スタッフから信頼を失っていることに気づかず
同じことを繰り返す恐れも、あるかもしれません。

そこで、

・大事な打ち合わせに、スタッフが遅れてきた
・スタッフが本来やるべき周囲とのコンセンサスを取っていない

このようなシーンの伝え方について、
みなさんと一緒に考えてみたいと思いました。
(あくまでも職場でのシーンです。)

 


■「私の思い」を伝える

「あなたは」「お前は」のように、
「あなた」を主語にすると、相手を責めている感じになりますが
「わたし」を主語にすると、
「あなたを責めているわけではなく、わたしの気持ちを伝えている」
という感じに変わります。

「I(アイ)メッセージ」と呼ばれている、あの方法ですね。

「(わたしは)何か問題があったのではないかと心配になったよ」
「(わたしは)コンセンサスを取って欲しいと思っています」

という感じで伝えるのはどうでしょうか。

 


■最後を肯定的な言葉で締める

思ったことは伝えたい。
しかも、できるだけ相手に嫌な印象を与えずに伝えたい場合は
最後を肯定的な言葉で締めると、印象が変わります。

たとえば、単純に

「○○はできているけど、○○はできていないね」
「○○はできていないけど、○○はできているね」

の2つを比べると、
2つ目の例のほうが肯定的に聴こえます。
後半の言葉のほうが、印象に残るようです。

「今日は大事な打ち合わせに遅れてきたけど、
 いつもは一生懸命やってくれているからありがたい」
「まだ、周りとのコンセンサスは取れていないようだけど、
 いつもしっかりやってくれているから期待している」

このような感じなら、どうでしょうか?

最後を肯定的な言葉にすることで
気持ちを伝えつつも、肯定感を含ませることができます。

 


■最終的には、リーダーの気持ち

このように、言い方を少し変えるだけで
雰囲気が大きく変わりますよね。

このような言い換えは、テクニックというよりも、むしろ
スタッフへの「期待感」「評価」「ねぎらい」の気持ちが
あることで生まれてきます。

だからといって、
「リーダーの気持ちが大切なんだ」
「期待感を持ちなさい」
「きちんと評価しなさい」
「スタッフをねぎらいなさい」
といっても、まだ、そのような気持ちが芽生えてきていない場合は
「そう思え」と言われても、なかなか難しいことなのかもしれません。

なぜなら、「思う」のは、「(内側から)ふと思う」のであって
「意識的に思う」とは、少し違うからです。

そのような場合は、今回のように、
言い換えのポイントを押さえて、形から入ってもいいと思います。
形から入り、実際の言葉にすることで
気持ちが芽生えてくることもありますからね。
実際、わたしがそうでした。

コミュニケーションとは、
「伝える」ことではなく「伝わる」ことです。
一方的に伝えるだけでは、意味が薄れてしまいます。

どのようにしたら、伝わるのか……
そのためには、相手がどんな気持ちになるのかを考えてみるのがよさそうです。
批判されてうれしい人はあまりいないので
普段から、「肯定的に伝えるには、どうしたらいいか」
いろんな言い方を意識的に考えておくと
とっさの時に言葉に出てくると同時に
周りにいる人の良さを見つけることにもつながります。

そうすれば、近い将来
「○○さんと一緒に仕事がしたい!」という声が
周りから聴こえてくるようになるのではないでしょうか。

もし、そうなったとしたら、うれしいと思いませんか?
お互いがいい関係の中で、仕事をしたいものですね。

 

■追伸

海外の要職の方は、コミュニケーションが上手です。
なぜなら、コミュニケーションのコーチがいるからなのだそうです。

要職の方に限らず、リーダーのコミュニケーション力は重要です。
わたしもこれまで、「伝える」ことでいろんな失敗をしてきました。
と同時に、「伝わる」楽しさもたくさん経験しました。

みなさんは、コミュニケーションでお困りではありませんか?
もし、お困りのことがありましたら
個人コーチングセミナー企業研修のページをご覧下さい。
なにか、お役に立てるかもしれません。

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