コーチングは「気づかせる」ものではありません
こんにちは、竹内義晴です。
先日から某所のコミュニケーションの研修におじゃましています。
研修先は社会的事業を行っている団体さまです。
たとえば、NPO法人や社会福祉法人のような社会的事業の多くは、
行政のような大きな組織では手が回らず、
営利企業は手を出さないようなことに問題意識を持ち、解決しようと試みる団体が多いです。
そのため、その団体の先にも、問題を抱えている方が多いので
「真の問題を聞きだす」
「望ましい方向へ導く」
このような視点が必要なのではないかと考えています。
そこで、カウンセリングやコーチングで行われる傾聴や問いかけを中心に組み立てました。
研修の中で、参加者さまの一人からすばらしい質問がありましたので
みなさんにもご紹介したいと思います。
コーチングというと、「質問するスキル」と紹介されることが多いですね。
「どうすればできると思う?」と問いかけることで
相手は考えるきっかけとなり、その結果、「気づく」可能性が広がります。
参加者さまの一人は、次のような質問をされました。
「私は、あまりしつこく質問されるのが好きではありません。
根掘り葉掘り聞かれるのは、何か尋問されているような印象を抱くからです」
これは、カウンセリングやコーチングを勉強した人が、誰もが体験する難しさの1つです。
ボクもコーチングを勉強したころ、よく失敗していました。
「コーチング」「コーチングとは」という言葉を検索すると
よく、「気づかせる」という言葉に出会います。
たとえば、Wikipediaのコーチングの説明では
- 「学ばせる」スキルが加わったものだ
- 個人の能力をいかに発揮させるかが、現代の企業の課題
- 考えて自ら問題を解決する力をつけさせるのが、コーチングの最終的なゴール
このように、「させる」という言葉が目立ちます。
確かに、コーチングは「気づかせる」なのかもしれません。
(特に、職場でリーダーがスタッフに接する場合はそうですね。)
実は、この「させる」という思いが強いと、コーチングはうまくできないんです。
「させる」という言葉は、何か上から目線で、操作的な印象を抱きます。
「気づかせよう」という気持ちで接すると、警察の尋問口調になり、
うまく「気づかせる」ことができなければ焦ってきます。
その結果、嫌な空気が流れ始めます。
これが、「コーチングは難しい」と言われる1つの理由でもあります。
ここでのポイントは、1つだけです。
「この人が本当に望んでいることは、いったい何だろう?まず、それを理解しよう。
もし、この人に可能性があるとしたら、いったい何があるだろう?それを、一緒に考えよう。」
無理に気づかせようとせず、暖かく見守るような気持ちで接することです。
ボクの場合、「気づかせよう」という気持ちは、ほぼありません。
それよりもむしろ、「相手のことは、相手のこと」ぐらいの気持ちで接しています。
問いかけが考えるきっかけにならなければ、他の問いかけをしてみる……
そのぐらい緩やかな気持ちです。
もし、問いかけがうまく行かなければ、「させる」という気持ちを手放して接してみてください。
少し話はずれてしまいますが……
カウンセリングやコーチングって、難しいのですよね。
人はそれぞれ意見が違いますし、会話の内容もそれぞれです。
そんな中、最近気が付いたのですが、
ボクはいつも、あるシンプルなパターンで
カウンセリングやコーチングをしていることに気が付きました。
そのパターンを知人に話したところ
- 「カウンセリングやコーチングは、傾聴などの技法は習うけれど、会話の構成やパターンがないから、実際にやろうと思うとうまくできないし、場当たり的な対応しかできない」
- 「今のカウンセリングやコーチングのセミナーは、簡単なことを難しく伝えているのではないか」
などの意見をいただきました。
ボクはいつも、頭の右側に三角形をイメージしながら会話の流れを作り
カウンセリングやコーチングをしているので
「トライアングルコーチングメソッド(仮)」と名づけました。
1枚のチャートに書き込むだけで考えられるこのパターンは、
IT業界の仕様のヒアリングや、セールスにも活かせると思います。
ブログでもお伝えすると共に、テキストもほぼ出来上がったので、
8月ぐらいから、直接お伝えできればいいな~と思っています。