義捐金が「体裁の悪いセールストーク」と受け取られる危険性
あるホテルのホームページを見ました。
そのホームページには
「みんなの力で日本を復興しよう」という目的のもと
複数の宿泊施設が参加して作った宿泊プランが紹介されていました。
宿泊費の一部は、震災に被災者のみなさんに
義捐金として100円が寄付される……とのこと。
さまざまなところで「売り上げの一部を義捐金として寄付する」とうたわれています。
少し前までは、さほど違和感を覚えませんでしたが、今回は違和感を覚えました。
なぜ、今回は違和感を覚えたのだろう?
セールスのきっかけとして「義捐金」という言葉を使っていることに
違和感を覚えたのかもしれません。
「自粛ムード」が社会にあったころ
宿泊業の方は、本当に大変だったのではないかと思います。
宿泊業に限らず、多くの会社も大変でしたよね。
従業員を減らしたという実例も耳にしました。
商売には利益が大切。社員を抱えているのならなおさらです。
セールスのメッセージの中に、社会的な課題を使うことは悪いことだとは思いません。
けれども、社会の雰囲気は少しずつ変わってきています。
以前は「応援メッセージ」と受け取られていた言葉が、
いつの日からか「体裁の悪いセールストーク」と受け取られる危険性があるようにも思います。
せっかく社会の役に立とうとしているのに、それはとっても不幸です。
そろそろ「義捐金」という言葉を使わないほうがいいのかもしれません。
社会に伝えるメッセージも、少しずつ変えていく必要がありそうです。
もし、ボクがホテルを経営しているとしたら、どうするだろう……
- 義捐金という形で、お客さまから直接集めず、まず、自分達の力で多く利益を上げるようにがんばる。その中から、自分達のお金として義捐金を出す。
- 義捐金を目的にせずに、被災されたみなさんに具体的な支援をする。写真など、支援した結果を公開する。
そんな風にするのかな……難しいね。
金銭的な支援は被災地に必要です。
今回目にしたホームページだって、良心から行われているに違いありません。
義捐金を集めるなということではもちろんありません。
けれども、なんとなく、モヤッとした感じがしたのでした。