避難者のメンタルケア・ボランティア1日目で見えた課題
まずは、ITmediaエンタープライズに寄稿した記事のご紹介です。
こころの処方箋:元気になれない周りの人との関わり方――震災時のメンタルケア (1/2)
前回記事「自分のこころを大切にしよう――震災時のメンタルケア」と合わせてご覧ください。
連載はあと2回の予定です。
さて・・・
今日の本題は、寄稿した記事にも少し関係しているのですが
震災の影響で新潟県妙高市に避難されているみなさまの
メンタルケア・ボランティアについてのご報告です。
以前、新潟県妙高市で避難者のメンタルケア・ボランティアを始めます
というお知らせをしました。避難所の移転などがあり、新たな調整もありましたが
4/13から避難所で関わりを持つことができるようになりました。
4/11、避難所である国立妙高青少年自然の家にお伺いし、状況を確認。
事前に避難者側の代表のみなさまと、施設内のどこでケアを行うかなどを調整して
毎週水曜日 13時~15時にお伺いすることとなりました。
前の日にチラシを作成し、事前に告知していただいて、4/13に再び避難所へ。
結論から申し上げますと、この日、対応できたのはゼロでした。
メンタルケアの必要性がないのなら、それがベストなのですが
「話はしたいけれど、なかなかその勇気がない」という方もいらっしゃるはず。
もし、そうだとしたら、今の現状は問題です。
誰もがそうだと思いますが、知らない人と会話するのって、相当ハードルが高いです。
(「メンタル・・・」とか「こころの・・・」みたいな言葉を使うとなおさら)
かといって、こちらからむやみに声をかけるのも、怪しい。
ケアが必要な方と関われないと、今のままでは問題があるので
告知する際の表現や、お話をお伺いする場所など
いかに抵抗感を少なくするか、「話をしてみようかな」と思える環境が作れるかが
今後の課題となりました。
関わりは、自分たちの意思だけでは持てません。
このあたりは、ボランティアに限らず、あらゆる仕事のプロセスと同じですね。
来週は、分かりやすい案内パネルを作り
相談を受ける場所をプライバシーが守れるところに変えられたら、変えてみようと思っています。
一緒に行っている仲間が、ヒーリングができる人なので
そのような、抵抗感が少ないところから入っていくのもいいのかもしれません。
アンケートをとってもいいのかもしれませんね。
あと、テレビを見ていて思ったのですが、お医者さんって白衣を着ているじゃないですか。
もし、体調が悪ければ、「あっ、お医者さんだ、ちょっと相談してみよう」と思うとおもうんですよね。
私たちは医者ではないので、白衣を持っていませんが
「パッと見て、それが何なのかが分かる」というのは、意外と大事ですね。
現地の方に負担や迷惑をかけないように相談しながら、すすめるつもりです。
もし、諸先輩のみなさまがおられましたら、コメントにてご指導いただけますと幸いです。
また、妙高市の避難者のみなさまと、何かしら関係をお持ちのみなさま。
もし、この記事をご覧になりましたら、このような活動をしていますことを
お伝えいただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
追伸:
「震災から1ヶ月が過ぎ、これからはこころのケアが大切だ」という声が聞こえています。
その一方で
「私たちも支援をしたいのだけれど、行政との調整に難航している」
「どのようにボランティア活動を始めたのか知りたい」
「一緒にボランティアをさせてもらえないか」
などのご連絡を届いています。
次回は、「なぜ、私たちが避難所でボランティアを始めることができたのか」に
というテーマで、これらの声にお答えしたいと思います。