誠 Biz.ID連載「やる気がない人を巻き込む方法」―【リフレーミング】技術的側面から解説
誠 Biz.IDさんで、拙著「職場がツライ」を変える会話のチカラ の一部を加筆・修正し、連載いただいています。
1回目の記事は、会話の工夫であなたの職場は少しずつ働きやすくなる というお話でした。
今日公開になりました、2回目の記事は、やる気がない人を巻き込む方法というお話です。
今回のお話では、強制力がない分、職場よりも人をまとめ、動かしていくのが難しい地域のボランティア活動での1コマを、書籍の中からご紹介しています。
相手が大切に思っていることを探してみようという項では、協力的ではない方に対し、「肯定的な面」を考え、伝えてみようという提案をしています。ブログでは、この項に関する補足をしたいと思います。
心理学の用語で「リフレーミング」という言葉があります。これは、「枠組みを変える」という意味があります。もう少し分かりやすく説明すれば、「見方を変える」「別の側面に目を向ける」というような意味合いです。
誠 Biz.IDの記事では、「子供のクラブ活動の送り迎えが忙しい」という方を巻き込む例をご紹介していますが、この例を別の側面から見たら「家族思い」と見ることもできます。
そこで、地域活動への参加をお願いする際、
「みんなだって仕事もあるし、大変なのは、あなただけじゃないんですよ」
という言い方も1つですが、
「Aさんは家族思いなんだね。地域活動で活躍するお父さんの背中を見せたら、きっと子供も喜ぶだろうね」
という言い方も1つです。
もちろん、「○○と言えば、○○となる」というようなものではありませんが、後者のほうが、相手にとってはプレッシャーにならず、相手との距離も縮まると思います。
リフレーミングは、成果を出している方々が得意としている思考法の1つです。私たちにはいろんな嫌なことが起きますが、どんなに嫌なことでも、同じ出来事に別の側面から光を当てて解釈するわけですね。
例えば、愛想がいいスナックのママさんは、太っている人に「お客様は太っていますね」のように直接的には言わず、「お客様は、貫禄があって素敵ね」のように言いますよね。そんな感じです。
リフレーミングを対人関係で使うなら、
- 「太っていますね」 → 「貫禄がありますね」
- 「あなたは短気ですね」 → 「物事を決断するときに役立ちそうですね」
- 「強面(こわもて)ですね」 → 「怖い人にあったとき、一緒にいたら心強いですね」
のような感じです。
また、自分自身に対することなら、
- 「財布を落とした」 → 「新しい財布を買うチャンス」
- 「車が壊れた」 → 「修理をすれば、長く安心して乗れる」
- 「外出しようとしていたら雨が降った」 → 「ゆっくり過ごせる」
などのような感じです。
リフレーミングは、頭をやわらかくして考えるのがポイントです。1つの出来事にも、いろんな側面があることに気づくと、嫌なことにもポジティブな意味をつけられるので楽しいですよ。対人関係でも、相手のポジティブな、意外な側面が見えてきて、嫌な感じがしなくなることもあります。
良かったら、やってみてくださいね。