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企業教育と学校教育の違い―学校の先生を尊敬する理由

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企業の教育に関わっていると、いろんな方に出会います。

同じ空間で、同じ時間を過ごしている中でも、真剣に何かを学ぼうとする意識を感じる方もいれば、「時間が早く過ぎないかな~」という気持ちを感じる方など、さまざまです。

講師として現場に立つとき、

「せっかく同じ時間を過ごすなら何かしら持ち帰っていただきたい・・・」

そう願い、冗談を言ったり、場が盛り上がるようなワークを入れたり工夫しますが、その願いが叶わない場合も、実際にはあります。

このような場面に触れるたび、わたしは学校の先生を思い出します。そして、「学校の先生はすごいな~」と尊敬するのです。

なぜなら・・・

企業の教育は自分の財布からお金出すわけではありません。上司から言われて研修に出席する方もいるでしょうし、本当は興味がないけれど、仕事だから出席している方もいらっしゃるでしょう。

そう、「仕方なく」です。

これは、現実としてあります。わたしも会社員時代、何度か経験したことがありました。だから、「せっかく会社がお金を出してくれているんだから、感謝の気持ちをもって真剣に取り組みなさい」とか、「やる気を出せ!」などと言う気持ちは、もちろんありません。「やる気を出そう」としても、やる気は出るものじゃないから。

「全員がやる気があるとは限らないし、それはそれでいいんじゃない?」このような意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。場が盛り上がらない現場に立つと、わたしもこのような気持ちを抱かないわけではありません。人間ですから。

「もし、この研修が、自身でお金を払ってくる研修だったとしたら、もっと場が盛り上がるんだろうな」「『何かを持ち替えろう!』と思っている方と集う研修のほうが、講師としても楽しいのだろう。だったら、自分でそういうセミナーを企画・開催したほうが断然楽しいよな」という気持ちを抱くこともあります。

けれども、このとき、「企業教育ではなく、学校教育だったらどうなのだろう・・・」という思いが頭をよぎります。学校の中には、やる気がある子もいれば、ない子もいます。勉強が好きな子もいれば、嫌いな子もいます。そう、義務教育だから。

そして、こう思うのです。

「学校の教育だったら、仕方ないなんていっていられるのか?」

仕方ないなんて言えないし、見捨てられない。そのなかで、学校の先生はどうにか、

やる気を出してもらえるように・・・
勉強って楽しいっと思ってもらえるように・・・
部活で仲間と頑張ることの美しさを感じてもらえるように・・・

褒めたり、叱ったり、慰めたり、いっしょに泣いたりする。

それを考えたとき、改めて思うのです。

「それを実践している学校の先生って、やっぱりすごい!」

企業の研修の時間は学校の教育と違い、1日や2日と時間は限られていますが、場が盛り上がり、誰もが何か大切なものを一つでも多く得られるような教育にしたい・・・そうありたいと思うのです。

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