仕事の目的は成果を出すこと。だからこそ、コミュニケーション力を磨く
ある企業さまから4回シリーズの企業研修のお話をいただいています。
先週末はその第1回目として、「職場の雰囲気を改善する伝え方」というテーマで「どのようにしたら、自分の気持ちを上手く伝えられるか」という講演をしてきました。
仕事をしていると、「しなければならないこと」がたくさんありますよね。「改善すべきこと」もたくさんあります。部下であれ、同じ立場の仲間であれ、時には、相手に指摘もしなければなりません。
このような場合、「なぜ、お前はこんなこともできないんだ!」「何度言ったら分かるんだ」などと言いたくなりますよね。感情任せにいってしまいがちです。中には、職場の雰囲気や人間関係が壊れてしまうことを恐れて、なかなか伝えられないという方も、いらっしゃるかもしれません。
きちんと指摘ができなければ、同じミスを繰り返してしまいます。だから、相手に指摘することはとても大切なことです。
だからといって、感情任せでいいのでしょうか?
怒鳴り散らしているだけで職場は萎縮しないでしょうか?
それで、仕事の成果は出るのでしょうか?
私たちにとって大切なのは、上司が溜まったうっぷんを晴らすことではありません。
仕事の目的は「成果を上げることだ」ということ。
それは、ちょっとした伝え方の違いだったりします。
そこで、今日は講演でお話した中から、ちょっとしたヒントをお話しますね。
それは、「肯定的に伝える」ということ。
たとえば・・・
明日、お客さんの前でプレゼンがあるシーンを思い浮かべてみてください。客先でのプレゼンのために、チームが一丸となって資料を作ってきました。その資料を、明るくて職場のムードメーカーなのだけれど、ちょっとお調子者のC(調子がいいのC)君に持っていってもらうとします。
このようなシーンでは、多くの場合、
「C君、プレゼン資料、大切な資料だから忘れちゃだめだよ」
などと、伝えることが多いでしょう。けれども、「忘れちゃだめ」と言われると、何だか緊張感が走ります。子供の頃から、「~しちゃだめ」といわれているからでしょうかね。C君の立場になってみれば、忘れることを前提に言われているようで、「いちいち言われなくても分かってるよ」という気分にもなります。
また、この文章を繰り返して読んでみて下さい。不思議なことに「持って行くこと」ではなく、「忘れること」が気になることに気づくでしょう。「太るからお菓子を食べちゃだめ」と言われると食べることに意識が向いてしまう……という感じに似ているかもしれません。
だったら、最初から「持って行く」ことを中心に伝えてみてはどうでしょうか。
そうです。否定語ではなく肯定語を使うのです。
「C君、プレゼン資料、大事な資料だから大切に持って行ってね」
このようにすれば要らぬ緊張感も少なく、「持って行く」ことに意識が向きます。「否定語」ではなく、「肯定語」を使うほうが素直に伝わるのです。
ちなみに、心理学では、「脳は否定語を理解しにくい(イメージしにくい)」といわれています。素直な反応を得るためには、肯定語がいいとされています。
否定語の裏側には、必ず肯定的な意味合いもあるはずです。ちょっとした工夫ですが、あなたの職場でもすぐに使えると思います。やってみてくださいね。
さて、明日は講演の2回目。職場におけるメンタルヘルスと、職場ですぐに実践できるポイントについてお話ししてきます。
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