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「押す」か「引く」か―仲間を巻き込む方法

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わたしは、仲間を巻き込む方法には、大きく分けて2種類の方法があるのではないかと考えています。その1つは「押す」方法、もう1つは「引く」方法です。

「押す」方法とは、いわゆる軍隊式と考えてください。プレッシャー(pressure)には圧力・重圧という意味があるように、仲間を「押す」ようにして動かそうとする方法です。

「引く」方法とは、わたしの中では「ねぎらい」「感謝」のようなものです。仲間に対して「ありがとう」「ごくろうさま」「無理しないでね」などと声を掛けていくことです。もちろん、「○○して欲しい」と依頼はしますが、「無理しなくていいよ」「参加できなくても気にしないでね」などと付け加えます。関係的にはフラット、むしろ引いています。なので「引く」方法です。

たとえば、私はあるボランティア活動に参加しています。小さい集まりで人数も少ないので、参加してくれないと活動に支障が出つつあります。

これまで、人を集める際、「押す」方法をとっていたように思います。「そんなに甘やかしては、相手の思うツボだ」「圧力をかけないと動かないんだ」という意見が大半です。いくらプレッシャーをかけても、なかなか集まってくれません。これが続くと、「あいつはやる気がない…」のような個人攻撃が始まってしまいます。

最近は、個人的に「引く」方法を意識しています。「できるだけ参加してね。でも、仕事、大変だよね。無理しなくていいよ」などというように誘っています。参加できなくても「仕事を休むのは気を使うよね、仕方ないね、次回よろしくね」と伝えるようにしています。

また、今までは、口頭や紙ベースでしたが、もう少し気軽にやりとりできるように携帯メールに変えました。携帯メールだと、ほとんどの場合返信してくれます。参加できない方は「今回は参加できません。すみません。」などのように、申し訳なさそうなので「どうぞ気にしないで下さい。またよろしくね。仕事頑張ってね」のように伝えています。

このような「引く」方法に変えてみて、お互いのストレスが減ったような気がしますし、まだわずかな変化ですが、都合をつけて参加してくれる方も増えてきたようです。これはうれしい変化です。

いろんな関わり方があるので、どちらがいいというつもりはありません。場面に応じて変わってくるとは思います。個人的には、「引く」方法のほうが、相手へのストレスもないし、こ ちらのストレスも少ないので好きです。

「そんなの、甘いよ」というご意見もあるでしょう。「押す」方法で上手くチームがまとまっていれば、それでいいと思います。でも、もし、あなたが職場で「押す」方法で仲間を巻き込むことにお困りでしたら、「引く」ことを少し意識してみると、少しずつ変化がおきるかもしれません。お試し下さい。

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