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「希望って、何だろう?」 ~ 希望学について

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9/14放送のクローズアップ現代(NHK)、「希望学」がテーマでした。ご覧になった方もいらっしゃると思います。「希望」を学問にするとどうなるのか?興味深く見ました。

希望学は、東京大学社会科学研究所で研究されているものです。詳しくは、リンク先をご覧いただくとして、サイトより一部を引用します。

では、仕事や暮らしのなかの希望は、いったいどのように形成され、そして失われるのでしょうか。そんな希望の変動は、社会の動きとどのように関係しているのでしょうか。希望学とは、社会全般にとっての根本的な課題としての希望について、その社会的意味を明らかにすることを目的に、従来の学問的枠組みを超えるかたちで、東京大学社会科学研究所を基盤として2005年度より始められた新しい学問です。

「働いて、豊かになればみんな幸せになれる」……日本には、そのような時代がありました。そして、時は流れ、日本は確かに豊かになりました。

一方で、モノはこんなに溢れているのに、先が見えずに希望が持てない国、日本。この先、どんな希望を持てばいいのでしょうか?「目標を持て!」「夢を持て!」「希望を持て!」という精神論はよく聞きますが、それがなかなかできないのですよね。「それが分かったら苦労しないよ」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。それができないから、「本当にやりたいことって、何だろう?」「私って、何のために働いているんだろう?」と、みんな悩んでいると思うのです。

番組ゲストの玄田有史さんは、「一人ひとりが紆余曲折の中で、自分なりの価値観を持ち、生きるための物語を作っていくことが必要」「挫折の先には必ず希望がある」などとおっしゃっていました。

「挫折の先に希望がある」……この感覚は、とてもよく分かる気がします。なぜなら、私も、常駐先での多大な抑圧や、エンジニアからマネジメント職への転向、チームをまとめることに悩んだこと、起業してもなかなか仕事がうまく行かなかったことなど、悩んで、もがいて、苦しんだ先に、仕事が大好きになって、「本当にやりたい仕事はこれだな」ということを見つけたり、未来に対する自分なりの物語や希望が描けるようになったからです。

これまでは、効率重視で、早く答えを出すことが求められましたし、失敗することが恥ずかしいようなところがありましたよね。ひょっとしたら、今もそうかもしれません。けれども、今のような不確実性が高い時代、失敗の中から何かを学び、不確実性に向き合っていくことによって、自分なりの物語や希望を作っていける力になるのだと思います。

「挫折や失敗の先には、必ず希望がある」……今は、こころからそう思います。

希望学……なんだかいいなぁ。私も一緒に研究してみたいです(笑)。

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