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気象予報士が雨を「天気が悪い」とは言わない理由

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昨日、偶然テレビを付けたらクイズ番組が放送されていて、その中に「これはいい!」という問題がありました。その問題とは、「気象予報士は、雨でも『天気が悪い』とは言わないのはなぜか?」でした。

みなさん、何だと思われますか?「そんなの簡単じゃ~ん」と思われている方もいるかもしれませんね。

正解は、「雨は全ての人に悪いものだとは限らないから」だそうです。一般的に、雨のイメージは「悪いもの」ですが、農家にとって、農作物が育つために雨は重要なものですし(今年は雨が多くて我が家も泣かされましたけど(苦笑))、気温が35℃を超えるような夏なら、雨が降ったおかげで涼しく感じることもあるかもしれません。雨はまさに「恵みの雨」ともなるんですね。同じ雨なのに、いいにも悪いにも捉えることができるなんて、面白いですね。

このクイズ自体、聞いてしまえば「あ~、なるほどね~」で終わってもいい話なんですが、私はこの話に奥深さを感じています。なぜなら、(全てとは言わないまでも)多くのビジネスや生活上の問題は「捉え方の問題」なので、この考え方で解決できてしまうからです。

目の前の出来事について、私はこの「いい・悪いを決め付けない」ということを普段からちょっと意識して生活しています。その理由は、雨は悪い側面だけではなく、いい側面があるように「いい/悪いは表裏一体だから」です。そして、悪いと思ったことの裏側にある「いいとこ探し」をするようにしています。

最近は、これが思考のクセになって、ネガティブな出来事も前向きに捉えられるようになり、ストレスコントロールができるようになりました(私は短気なほうなので、全て…とは言いませんが(苦笑))。

これをお読みの方の中には、「それって、単にプラス思考のことを言っているんじゃないの?プラス思考と何が違うの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

私の感覚では、一般的に言われているプラス思考とはちょっと違います。一般的なプラス思考の解釈は、「悪いことをいいことに考える」ぐらいのニュアンスで考えている方が多いと思います。また、「雨を晴れだと思い込みなさい」みたいな無理やり感があると思います。でも、雨は雨なので、晴れだと思い込むのには無理があります。

私が考える本当のプラス思考は、「雨は晴れにはできないので、雨が役立つ側面を探す。」というものです。これには無理がありません。もちろん、すべての出来事について「いいとこ探し」が即時に出来るわけではありませんが、探そうと思えばいくらでも探すことはできます。

私たちの身の回りに起きる多くの問題は「捉え方の問題」が多いので、考え方を変えることで解決できることがたくさんあります。物事を前向きに捉える習慣により、ストレスコントロールに繋げることもできます。

さらに、「あっ、そういう捉え方もできるよね」という気づきやひらめき感は意外と楽しいことに気づかれると思います。物事を俯瞰的に、多面的に考えるいい練習にもなります。

この「いいとこ探し」をするためには、「おかげで~」に続く文章を考えてみてください。「雨が降ったおかげで~」のようにですね。

ちなみに、これを心理学用語では「リフレーミング」と言います。とても簡単ですので、みなさんもやってみてください。

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