【また明日ね~】駅ホームにある、一杯やれるお父さんのオアシス
3/2~3、仕事のために名古屋へ。
名古屋の帰りは、「特急しなの」に乗り、「千種→長野」経由で新潟へ帰ってきました。
千種駅で時間があったので夕食を取ろうと、駅のホームにある「立ち食いそば」ならぬ「立ち食いきしめん」へ。視線を建物の上方にずらしてみると、看板に光る「ビール」の文字が。駅のホームにある立ち食いそばで、ビールを置いてあるところをあまり知りません。
「ビールときしめん?これはいい!」
外から中の様子を伺ってみると、20名ほどが囲めるカウンターが常に満員という盛況ぶり。
「駅のホームでそんなにきしめんを食べる人がいるのかなぁ……?」
と思いましたが、取り合えず入ることに。「いらっしゃいませ」と、元気のいい店員のおばさんの声が聞こえてきました。券売機に千円札を入れて、アピールしてくる生ビールと、きしめんのボタンをポチッと押し、おばさんさんに促されるまま辛うじて空いていたカウンターに身を滑り込ませました。
早速注文をして、とりあえず出できた生ビールをグビグビ。うん、んまい。
さて、生ビールのグラスをカウンターに置きながら、周りを見回してみると……ここで見た光景がいつもの立ち食いそば屋と様相が違うのです。それぞれ人の前に置かれているのは麺が入ったどんぶりではなく、黒い升に入ったコップ酒とおでん。そこで繰り広げられる会話も「おかえり」「今日は早いね」などなど、お客さん同士、お客さんと定員さんが「当たり前」のように話しています。それはまるで、駅のガード下にある飲み屋の様相です。(でもここは、駅のホームです。)
一杯が暗黙の「定量」なのか、おでんをつまみにコップ酒をクイッと引っかけ、次々と出ては入ってくるお父さん達。帰宅する前にあえて立ち寄る、お父さん達のオアシスのように思えました。
「駅構内の一杯飲み屋。これはいいなぁ。この駅を使っていたら、きっと毎日通っちゃうな。全国にあったら、いい商売になるんじゃないかな。」
そんな風に思いました。
それぞれが、それぞれの電車の時間を気にしながら、それぞれのタイミングで「ごちそうさま」と席を離れると、「また明日ね~」と見送る店員のおばさんやお客さん。「あっ、ありがとうございましたじゃなくて、また明日なんだな」と思いました。私もそろそろ時間になったので「ごちそうさま」と告げ、カウンターを後にすることに。
きっと、もう立ち寄ることはないであろう、駅のホームにあるお父さん達のオアシス。背中から聞こえてきた店員のおばさんの言葉は「ありがとうございました~」でした。
「……そうか、新参者は「また明日ね~」じゃないんだな。新参者だけど「また明日ね~」って言って欲しかったな。」