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サンタさんが我が家に?

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わたしの住む地域は60軒弱の小さな集落です。日本中が少子化が問題となっている今、60世帯弱の中で小学生以下の子供が31人もいます。

田舎なので近所付き合いは多く、地域のイベントにあわせてよく飲んだりもします。今年の春先の会合で飲んでいるとき、「せっかく子供が多いんだから、何か子供が喜ぶイベントを増やしたいよね」という話になり、「クリスマスの時にサンタクロースの格好をして、プレゼントを配ったら喜ぶんじゃない?」という意見が出ました。

酔っ払いの話ですから、そこで盛り上がって終わることもよくあるのですが、サンタクロース案だけはその後の酒の席でも毎回話題としてあがり、実際にやってみようという話になりました。そこは小さい集落ですから、決まれば話は早いんです。

予算はあまりないので、百円ショップでサンタクロースの衣装セットを買い、白いシーツでプレゼントを入れる袋をつくり、プレゼントは長靴に入った420円のお菓子をネット通販で買いました。

突然サンタの格好をした人が訪問したら怪しまれるので、午後6時から6時半の間にサンタが行くからと子供がいる親には事前に連絡。子供を持つ親がサンタ役だと都合が悪いので、もう子育てが終わった諸先輩にサンタ役をお願いしました。

そして、今日の午後6時半過ぎ、我が家にサンタがやってきました。

4歳の我が子はまさかのサンタの登場に困惑気味(笑)。1歳の下の子は赤いおじさんに号泣です。それでも、長靴に入ったお菓子をもらうとニコニコ。「いい子にしていたらまた来年も来るよ」というサンタさんに、娘は大きく返事をして、「サンタさんバイバイ」と手を振って見送っておりました。

サンタさんが帰ったあと、「わたし、今年1年いい子だったのかなぁ」と娘がポツリ。「だからサンタさんがきたんじゃないの?」とわたし。

子供番組を見て、サンタはソリに乗って空からやってくるのを知っているからか、雪がちらつく外を窓越しに見つめ、空を見ながら「サンタさん、プレゼントをくれてどうもありがとう。本当にありがとう。」と、何度も何度も繰り返しお礼を言う娘。その純粋なうしろ姿に、いとしさと、せつなさと、こころ強さではなく「あのサンタさんね、酔っ払うとクセ悪いんだよ」というこころ苦しさを抱えながら、初の試みは無事成功したのでありました。

これを書いている今、12月24日になりました。何かと暗いご時世ですが、どうぞ楽しいクリスマスをお過ごしください。

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