オルタナティブ・ブログ > 熊谷修司の最高のチームを創る >

組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

求心力

»

故・平尾誠二監督の最後の著作「求心力」を読んだ。「今読まなければ・・・」という思いで急いで注文し読んだが、その中で、学生時代に監督から「お前が死んだら親は悲しむ。周りの人間も悲しむだろう。でも1年もたてば忘れる・・・」という行があった。

なんという因果

読んでわかったことは、大学院で「スポーツの社会的価値」を研究していたということ

自分も大学院で教育学の視座から「スポーツ」を捉えていたので、きっと同じ文献を読み、同じ問題意識を抱えていたのでは・・・と思う。もし彼とスポーツについて議論する場があったなら、面白い話ができたかもしれない。「人はなぜスポーツ好きになるのか」「負けることの重要性」「褒めるコーチングの弊害」など、語ってみたかった。自分にも、スポーツをプレーし、コーチングを研究し学んできたという自負はある。野球の審判員をし、サッカーのコーチングライセンスと審判の級を持ち、さらにソフトボールのコーチング資格を持っている人間など、日本にそうはいないだろう。お互いスポーツの研究者という立場で話をしてみたかった。

今となっては、本の中の平尾監督に問うてみるしかない。

「リーダーという立場の人間は、常に学ばなければならない」とも言う。日本代表の監督を務めながら大学通いをしていた人が言うから、説得力がある。

平尾監督が生きていたら、どんな言葉を紡いでいたのだろうか・・・

初めて見たラグビー日本代表の試合は監督故・宿澤広朗氏、主将は平尾誠二

それはスコットランドを破った時の代表チーム

そんなチームを観れるという、なんという素晴らしい時間を与えてもらったのだろう。

Comment(0)