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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

懐かしく思うモノと手元にあって欲しいモノへの思い入れ

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時々昔のモノ(事象ではなくモノ)の事を思い出すことはあるんですが、モノによる話だけれどある時期自分が使っていたものを再び何かの形で手にすることに執着することがほとんどない事に改めて気づくことがありました。特に機械ものだと所有することが楽しかったものと単なる道具として使っていたものに対する感情の差が大きすぎるのは元々自覚していたのですが、それを改めて思いなおしたような感じです。

例えば「日常」の世界

勿論それが特殊な感情だとは思っていなくて、温度差はあれ誰にでもある話じゃないかと思ってはいます。それを自分の中で振り返ってみると...

例えば昔実家で使っていた昭和なガス炊飯器とかのレベルで考えると懐かしさはあっても別に今欲しいとは思いません。言わば単なるそのころの生活の道具なわけです。

例えばクルマでいうと、昔7年ほど乗っていたシトロエンBXというフランスの車は自分としては良いクルマだったんですけれど、今それを入手できたとしてもパーツの問題や修理できる工場が近くにあるかどうかとかまで含めて考えないと苦労するのは解っているので、稀に同じ車種を街中で見かけると懐かしさはあるんだけれど、宝くじが当たって売るほど金を持ったとしても買わないだろなと思います。

例えば「コンピュータ」の世界

例えば同じレベルでPCを含めた「コンピュータ」な機器の世界も、同じような感情を持っています。昔から使うことや組み立てることを趣味としていなかったし、実際単なる道具としてしか接していなくて、それは今でも同じです。キーボードに関してはメカニカルな子が好きだし、マウスを止めてトラックボールを使うようになってから多分15年くらい経つのでもはやマウスを自由には使えない人になっているのだけれど、ユーザーインターフェイスとしての道具としてしか見てなくて、別にどこのメーカーのどれが良いとかは殆どありません。逆に言うと触った感覚なんて外付けキーボードとトラックボールを付けるのが前提なので、必要なスペックとしっかりした製品であれば正直どこの何でも良いです。

ただし必要なスペック等の観点から選択肢が少ない状況だと結果的に同じメーカーの同じラインアップの子を何世代かに亘って使い続ける傾向はあるのですけれど、それが途絶えたら別のを探すだけ。必要なのは使い勝手だけで「これじゃないと嫌」はありません。

勿論正直な話としての好き嫌いはあって、いまだにMacOSのUIは個人的に好きになれないんです。これは太古の昔のクルマ1台分くらいの値段がしたMachintoshの頃から変わらないし、昔は「そんな金持ちの機械なんて買えねぇよ」というやっかみもあったりして、それは単なる逆恨みでしょ古い話なんて忘れろよと言われるとごめんなさいねと言うしかないんですけれどね。

更に言うとWindows系ではどうしようもない状況が無かった... というより、Windows系じゃないと困る世界が長かっただけの話です。でも自宅ではWindowsと並行して「長く使い続けていられる」という理由でUbuntuを古いPCに入れて使ってたりしますし、今後何かの拍子にMac買うかもしれない。実際今でもタブレットとして中古でもいいからiPad買うかとか考えたりしてます。これはタブレットが欲しい状況があるんですが自分の使いたい用途を考えたときにWindows系タブレットよりiPadの方が楽だよねと思ってるだけの話です。但しiPad自体を「道具」として何年も使い続けた経験があるので、思い入れというより単に「用途に向いた道具」としてしか見てない自覚はあります。

例えば「そもそも道具」の世界

あ、それでいうと、むしろ最初から「道具」として存在してるニッパーとかペンチとかの握りもの系工具は拘ってきたかもしれません。機械系でも強電屋でもない弱電屋の自分が仕事で必要な道具として自分で金を出して選んだのはドイツのKnipexばかり。全く拘らない人が世の中ほとんどなのは良く知っていますけれど、作業の現場で必要な「サクッと綺麗に切れる」とか「握り込んだ時にしっかり食い込んで、かつ他のところを傷めない」とかの要求品質と値段と入手しやすさとか色んな経緯と考えがあって結局ここに収斂した感じです。アメリカのSnap-onとか素敵なんですけれど、弱電屋が使うにはちょっと方向が違うんですよね。

それに対してドライバー類については使う局面が握りものより少なかったこともあり、比較的安価なVesselのボールグリップで基本用が足りてたし、これで不満もない感じです。スイスのPB+とか素敵なんですけれど。

あとは使うパーツや部材に合わせて使う専用工具が多かったから、ここはメーカーに拘るとかそういう世界じゃないし。

物欲だけが趣味じゃないですけれど

でも私にとっては所詮道具なんですよね。

昔使っていた道具を必要としていた現場は懐かしいけれど、道具自体を愛でるとかそういうレベルではないんですよね。

振り返って考えるに、例えば趣味の世界での収集癖が無いのにもつながっているのかもしれません。必要な場で使う道具はきちんと使えるモノが欲しいけれど、所有欲や収集欲というものはほぼ皆無。もちろん「使いたいから欲しい」は今でも色々あるんですが、欲しいから欲しいという気持ちはありません。それこそマツコの知らない世界とかで何かの世界に入れ込んでいる方を見るとすごいなぁと本気で思います。

私にはできません。

但しそれを無趣味と言い換えると、仕事の世界から引退したら毎日何をしようかとか途方にくれますが(笑)

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