ところでみんなスマートフォンで何をするの?って話から非常に初歩的なスマートフォンのセキュリティ上の注意点まで
昨日のドコモ、そして今日のauと立て続けに「夏モデル」が発表になってるわけですが、特にドコモのスマートフォンへの肩入れは尋常じゃないよねというのは傍目に見てても判ります。自身を取り巻く事情故無線通信ネタ、特にケータイ関係の事については多くを語れない私なのですが、もちろんそれらの発表はとても気になります。で、職業柄これらの一連の発表を一般の方が見るのとは違う目で見てしまうのは仕方ないとは言え、これらの端末をいろんな人が手にするのは良いとして、でもそれで何をするのかなぁというところがやっぱり気になる。
各モデルそれぞれの特徴を踏まえつつ、というコトになるんだとは思うんですけれど。
そもそも通話をあまりしないという層は当然のように山のようにいらっしゃるわけですが
かく言う私も、実は殆どケータイで通話はしません。諸事情により PHSのスマートフォン+3G携帯x2 という3台持ちの私ですが、正確に言うともう何年も前からプライベートでは殆ど通話しないという状況。カミさんとの連絡も知人との連絡も基本的にはメールの世界。ただ、ここ数年の特徴として、いわゆるケータイ自身のメール機能の使用頻度が確実に下がってるんです。
じゃぁ何使ってるの?
実はPCと同じ環境。Gmailなんです。ってことで本質的には端末は何でも良くて、単にBrowserが使えれば良いという話。もちろんかな漢変換周りは端末によってお手前が違うので、いきなり知らない端末を持たされても困るんですが、メール自体はGmailで一元管理状態なんで、簡単な事務連絡的なメール以外は殆どケータイ自体のメールを使わなくなっちゃっています。
あ、もちろんたとえばGmailにもケータイ用サイトがあるんで純粋に所謂フルブラウザーを使う事は無いですけれど、いずれにせよここで特徴的なのは各機種固有の機能や事業者が提供するサービスにあまり依存しない状態になってるんです。
たとえばiPhoneなんて通信事業者のサービスにたいして依存しない端末の代表格
もちろん通信事業者が提供するメールなり何なりはあるわけですが、それを使わなくても全然使えちゃう部分が非常に大きいのは事実。乱暴な言い方をすると、カメラ周りとか純粋な音声通話の部分を諦めればWiFiルーター経由でiPod Touchが基本的に端末としてのiPhoneと同じように使えるわけで、これを基本の姿と考えると通信事業者の多くのサービスから独立したモノとして存在できちゃうわけです。
逆にメーカーサイトとの依存関係の方が非常に高いのがiPhoneの世界なわけで、もちろんデータのトラヒックは大きくなりますが、そのための固有のサービスを事業者が提供するのはちょっと筋違い的な部分が元々あるんじゃないかという考えを当初から持っていました。
で、昨今のスマートフォンの興隆を見て、なんだか同じような事を考えたりするわけです。あ、もちろん通信事業者でしか提供できないサービスや機能ってのはいろいろあるのは重々承知。ただ、伝統的な携帯端末の世界とは求められるものが違う部分があるのも事実で、今後も含めてそのあたりのバランスをどういう風に取るんだろうなぁってのが私の関心事。
因みにスマートフォンという言い方だけれど通話をあまりしないんだから「フォン」って変だよってのは昔からあった話なんですけど
もちろん新しい端末が欲しくなるのは人情。デザインはカッコイイし、アンドロイドだったりするし、サクサク動くし、コレらをベースに新しいアプリとかドンドン出てくるだろうし、持ってる自分はきっと格好良く見えるだろうし(いや、それは単なる思い込み)、ひょっとしたらそれを持ってるのがキッカケでモテるかもしれないし(いや、それは多分無いと思う)・・・と、普段自分の手元で使う機会が多い携帯の新機種を目の前にすると胸がときめく方も大勢いらっしゃると思います。
ただ、ココから先は私にとって微妙な迷路に入ってゆきます。電話としての機能なんて、もう随分前から成長は無いわけです。通話の相手に電話をかけて声で喋るという部分についてははっきり言って枯れた機能と言えるわけです。で、上に乗っかるのは音声通話とはまったく別の部分。でもだからと言って別の言い方をしても世間の認知が簡単に取れるとは思えないので難しいところですが、たとえばiPhoneはスマートフォンのひとつというより既に独立したiPhoneというカテゴリーとして理解される事が結構あるような気がします。そしてそれ以外のスマートフォン。もちろん今後は当然色々と変わってくるでしょうけどね。ただ何れにせよ、音声通話もできる携帯情報端末という位置づけは今後も変わらないでしょうから、そろそろ別の呼び方を誰か考えないのかな?とまるで他人事のような思い。
因みにスマートフォンも含めた移動体通信機器を個人用グッズとして見るかビジネスの道具として見るかで全然見え方が違うわけで
実は私がよく判らないのは個人用グッズとして見たときの話。そりゃそうです。人によって使い方は違うし、求めるものも違う。それ自体に対する思いも違う。リサーチをかけて何かしらの軸を見出し、それに基いてモノを作り上げてゆくプロセスの中での取捨選択がモノを言うのは他の工業製品となんら変わることはないわけです。
それに対してこれらをビジネスの道具としてみたとき、そのままの状態でそれらが耐えうるのか、求められる機能や能力は持ち合わせているのかなどが個人用グッズとは全く違う次元で評価されたりします。
因みにそれらの機種選定とかで単純に購買部門がコスト見合いで決めてきちゃうと悲劇が起きる元だったりするのは別に「移動体通信機器」に限らないわけで、単純に電話以上の機能をそこに求めるとき、そこで何がどうなって欲しいかを考えるとき、そしてそれらと連携するであろう何かしらの情報処理系システムとの関係を検討するとき、実は季節ごとに新しい機種を発売されると困るような部分があったりします。そんなに頻繁にモノを変えられると社内手続き上色々と困るし、機能が増えたり減ったりするのも困るし、なにより壊れたときの代品として同じものが手に入らないと作りこんだ機能が動かないとかいろいろと面倒な事が起きるわけです。
ただ、それらの困難を乗り越えて尚スマートフォンをビジネスの場で使いたいというニーズが大きく存在するのも良く知っています。
でも事実上コモディティ化しているPCですらいろんな事が起きるんですが、それでもPCは判る人が世の中に一杯いるから良い。方や「移動体通信機器」について 技術的なサポートをキチンとできる人は驚くほど少ない。それも個人で遊ぶアプリではなく業務で使うアプリなりユーティリティなどの世界だと本当に少ない。勿論少ないのは理由があるんですが、いずれにせよ急激にそのあたりの層が厚くなることはないんじゃないかと思います。よってもって如何に手をかけずに必要な機能をそこで実装するか、それを利用するかを考えないと大怪我をし ます。
まぁ私ごときが心配するまでもなく、そのあたりの事を踏まえつつ色々と画策してる人が山のようにいらっしゃるんだとは思いますが。
蛇足:そういえば随分昔にスマートフォンのセキュリティというお題で講演をやったことがありましてですね・・・
昔話なんで書いちゃっても大丈夫だとは思うのですが、実は嘗て200人ほどのお客さまを前にスマートフォンのセキュリティという観点で確か40分程度の講演をやったことがあります。何故お前が喋ったの?という質問には「大人の事情です」とだけ答えておきますが、そこで色々と関連ソリューションやソフトウェア単体の紹介などをしつつ、実は私のそのときの結論はですね・・・
スマートフォンは所詮ケータイです。
で、ケータイは必ず失くすものです。
だから、それを前提にして物事を考えてくださいね。
外に持ち出したPCは置き忘れる危険性がありますが、普通に盗難される危険性もあります。前者は自分の責任ですが、置き引き等も含め後者は誰か悪意の第三者がいるわけです。それに対してケータイ一般としてどこかに置き忘れるとかぶつけるとか落とすとか水没させるとか、大抵の場合所有者自身の責任で何かしらやらかす事が殆どです。別にスマートフォンだからって特別な話は無いんで、まずは普通に気をつけるのが第一歩ですよ・・・ ってのがそのときの話の結論。真面目に考えようとするとこの部分が意外に欠落します。
で、別にこれが唯一の正解ではないと思いますが、作りこむ立場じゃなくて使う立場で考えたときに一番気をつけなくてはいけない部分ってのは、そんなに難しいものじゃないと思っています。