本気のデジタル一眼レフで動画を撮る事の意味の一つが判った気がした件
最近のデジカメは動画もちゃんと撮れるぜってのがひとつの流行だったりしますが、元々機械モノは単機能が好きな私としては「なんだよそれ?」的な目で見ているのは事実です。メカ的な、そして電気的な構造がそもそも違うので、なんでそんな無理させるのよ?っていう話ですね。
でも、ちょっと判ったんです。というか、自分でも「あ~これなら自分で撮りたくなるな」ってところが。その目の付け所自体は、ある意味普通じゃないかもしれませんが(笑
ビデオ屋さんが目指すものと映画やスチール(静止画ですね)屋さんが求めるものの違い
基本的にビデオを主に考える場合、画面の中の手前から奥までピントが合った映像を求めます。基本的に動くものを撮るわけですし、ズームやらパンやらといったカメラの動きのなかでそれら全体を綺麗に撮りこむっていうのがひとつの方向であったりするわけです。もちろんピントをどこに合わせるかってのは非常に重要なのですが、ちょっと乱暴に言うとそういう部分がかなり大きな比率を占めてきます。これは機材の設計もそうですし、ビデオを中心に映像制作をする人の基本的な行動原理(いいすぎか?)とも言えるかもしれません。
それに対して、映画やスチール写真の場合にはフィルムを使っていた歴史を持っています。レンズやらフィルム自体の問題やら色々あるのですが、それらの特性を上手く使いながら絵作りをやってきたわけですね。例えばレンズの部分での物理的な原理はビデオと全く同じですが、製品にするうえでの思想が違うわけです。
で、そのなかで画面全体にピントを合わせるってのではなく、その中の一部だけにピントを合わせて背景はボカすなんてのは普通にやるわけです。もちろんその逆もあるわけで、特に映画などの場合、主観移動をこのピントとボケの移動だけでやるってのは普通のテクニックとして使われるモノです。もちろんこれはスチール写真でも同じ。
ここまで説明するとお判りになる方もいらっしゃると思うのですが、私が気づいたのは正にココ。
「そうか。デジカメの動画撮影って、ボケを使えるんだ。しかも普通にできるじゃん」
Impressさんのちょっと前の記事を読んでハタと膝を打ったわけですが
気づかせてくれたのはこのキヤノン「EOSムービー」は番組制作の現場でどう使われているか ~テレビ朝日と日本テレビにおける取り組みからと言う記事。実はこの説明って、一眼レフカメラを使った事が無いとわかりにくいかもしれません。というのは、これらのテクニックを使うための設定や操作がコンパクトデジカメでは普通は無理だからなんです。でも、フィルムであれデジタルであれ一眼レフカメラを使った事がある方なら、きっと判ると思います。
もっともプリセットのメニューだけで撮ってると判らないかもしれませんが・・・
正にその通りなわけで
いや、なんで何十万円もするデジタル一眼レフの最上位機種で動画が撮れるようになってるのかってのは本当に疑問だったんです。もちろん映画用のムービーカメラの代替になるなんて思ってなかったし、単純に動画を撮るなら普通のムービーカメラで問題ないじゃんって本気で思ってたんですけど、いや、本当に目からウロコです。
もちろん記事の中にあるとおり、コストの問題や機材の重量などの問題もあります。それもよく判ります。でも、私に刺さったのは絵作りの部分。ここですね。そこにビデオの世界とは違う映画あるいはスチール写真と同じ発想を、シロウトですら持ち込めるわけです。
う~ん、なるほど。
とはいえ、せいぜい子供の運動会とかバレエの発表会のビデオを撮るのが関の山の私の場合、それが役に立つとは言い辛いところが難しいところで・・・ (笑