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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

株主総会を終えるとホッとするわけ

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おはようございます。

曇り空の朝。オフィスは、24.5℃1000hPa @7:22 2016/06/01。換気をしましょうか。

===ほぼ毎朝エッセー===

□□株式会社の運営について

株主総会が昨日終わりました。ホッとしました。そこで今朝は、株式会社がどういう仕組みなのか、株主総会とはどういうものなのか、簡単に記載してみましょう。

会社はだれの持ちものなのか、世界中でよく議論がされます。株主のもの、従業員のもの、お客様のもの、地域社会のもの。いわゆるステークホルダーのものという公器的な考え方が日本では根強いです。ところが、法律的には株式会社は「株主のもの」というのが答えです。

株式会社を創る際には、事業を創ったり運営するための軍資金が必要です。その軍資金を「株」という形で集めるのが株式会社です。企業や個人などが、ある事業が始まる際に、それがうまくいくと信じて、株を買うという形で軍資金を出すのです。いわゆる投資ですね。

その企業がうまくいかなかったら、株の価値はゼロになって投資失敗です。その企業がうまくいったら、株の価値が上がり、投資した金額より高く売ることができたら、その投資は成功です。あるいは、毎年利益の一部を株主に還元する配当金をもらい続けるという形もあります。簡単に言えば、株式会社の成果は、お金を投じたリスクの比率で株主の権利になるのです。意見を挟む「もの言う株主」もいれば、じっくりと静観する株主もいます。

株主は取締役たちに会社の経営を任せます。同時に取締役たちの活動を監査する監査役を指名します。株主総会というのは、まず、監査役が取締役たちの活動が正しいことであることを、事前の監査を通じて宣言し、次に取締役たちが株主に対して会社状況の報告を行い、株主たちからの意見や議論を交わし、議案を決める公式の場なのです。毎年の決算の後に行うのが定時株主総会、臨機応変に行うのが臨時株主総会です。

株主総会での議案には、主に3点あります。
1)その年度の利益をどうするのか。配当金として株主に還元するのか、それとも更なる成長を期待して会社に残しておくのか。2)取締役や監査役にはだれを選ぶのか。3)取締役と監査役にはどういう報酬を与えるのか、です。そのほかには、会社にとって重要な株の売り買いや大きな投資などを決めることもあります。

株価の算定には様々な手法があるのですが、それを市場で流通させて、市場に価格を決めさせようというのが証券取引です。株式会社が事業の成功が見えてきた段階で株を上場させるのは、株を流通させて、株を売り買いすることができるようにするためです。逆に言うと、誰が株主になるかが分からなくなります。より、お金のリターンを目的とした投資案件としての株主が増えるということでもあります。

ゆえに、非上場企業であり、顔の分かった株主が取締役をやっている当社は、自分たちの将来を自分たちでコントロールできるということにメリットがあります。投資家が株主であれば、配当金を大きくさせる、短期に株価を上げるために短期的な業績をなるべく良くさせるなどのプレッシャーをかけてくるのは当然のことですから。一度上場していても、株を経営者たちが買い戻して自律性を取り戻そうというMBO(Management Buyout)が流行っているのもわかります。

はい。というわけで、そのような意味がある株主総会でした。2015年度の活動の数字を緻密に積み上げて、しっかりと監査を受けて、正式に活動が承認されて、2016年度の活動へとつなげていける。終わると一区切りした感覚がするのは、裏にはそういう理由があったのです。

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