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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

いつの間にか成功体験を振りかざしていた...

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おはようございます。

台風一過、晴れています。それにしても昨日は凄い風でした。熊本の災害も本震の追い打ちがかかりました。自然の力ってすごいです。今朝は、14.5℃/995hPa@5am。まだ低気圧の名残が残っています。

===ほぼ毎朝エッセー===

台湾から技術者を採用するようになって3年。残念ながら複数名の退職者が出てしまいました。せっかくVISAをとったり日本での生活がうまくいくように、様々なケアをするのですが、結果的には別な日本の会社に高給で引かれて行ってしまうようなのです。

「やはり外国人の雇用は難しいな」とか、「外国人を雇用するにはこういうことは前提として考えるべきなのか」とか。そのような言葉が頭をよぎります。普段から自分は「理想組織を実現するレシピを創る」と大きなことを言っていますが、大いなる無力感を覚えたりします。

ところが、先週は別な気づきがありました。

どうやら、CACHATTOというシェアNo.1 である製品を創ってきた中で、開発手法とかその思想とかで、「いつの間にか成功体験による罠にはまっているようだ」ということにです。

従来やってきた少数精鋭少人数型での開発は、開発者たちに多くの仕様決定の機会が与えられるのですが、多少人数が多くなってくると、次の問題に遭遇するのです。

「自分が何で役立っているのかわからない」
「自分の提案が通らない」
「お客様が何を求めているのかわからない」
「仕様変更がなぜ頻繁にあるのかがわからない」

これを外国人開発者から異口同音に伝えられました。退職予定者からもです。

言葉の問題ももちろんあります。文化の違いももちろんあります。ところが、それ以上に仕組みが整っておらず、各個人に理不尽と思わせるような負担がかかっていることが分かりました。

『お客様が「これe-Jan!」というものを創り出す』という大義名分。その中で、「完成すれば楽しみが分かち合えるよ」というような、いわば根性論の中で、「だからこういう風に作ってよ」と、仕様がコロコロ変わるようなことを頼んでいたのです。

従来は機能も限定的だったので、そういう開発は可能だったわけですが、この規模、この人数、この開発パワーへと大きくなりつつある中で、それはたまったものではないです。日本人、外国人の問題ではありません。

ではどうするか?

正解はまだ知りません。ただアプローチ方法は決まっています。この事実をもとに、どうするか、仮説を立ててスタイルを変更して、結果を出すだけです。今回の反省から取りうるアクションは先週のうちに固めました。

・営業、設計、開発を入れた仕様打ち合わせの場を週2で設ける。
・設計担当に相当するプロジェクトマネージャーをアサインする。
・フレームワークを決める際には3人以上の合議が必要。

シンプルな改善からスタートしていきます。

ビジネスは、現場の問題を拾い上げて、それらを改善できる仕組みを導入することです。問題が発生したのであれば、すぐさま、改善の仕組み、二度と発生させない仕組みを考えて、それをスタートするのです。シンプルです。嫌なニュースと思われることでも、結果的にはそれがサインだったり警告だったりするものです。

その中で、改善できた環境で、日本人だろうが外国人だろうが、どの部署であろうが、どの支店であろうが、一人ひとりに大活躍をしてもらう。これが「理想組織」の必要条件ですから。

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※20160418 12:22 一部タイプミスを修正しました。

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