福利厚生を充実させたら企業文化が高まるのか?
おはようございます。
今朝も晴れていますが、すこし空気がかすんでいます。
===ほぼ毎朝エッセー===
「企業文化は醸成されるまでに時間がかかるものであるけど、一度できあがると、なかなか変わらないものである」
これはMBAの組織論で学んで、未だに強く印象に残っていることです。
ゆえに、自分はこの会社を創業してからすぐに、様々な企業文化的側面を気にしながらいました。創業当初は、クリエイティブ集団でありたい、友達同士のような会社でありたい、そういったことを実現したいと思ったために、始業終業時間無し、業務も好き勝手なことをやる、「それいいじゃん!」と思えたらすぐに実行。そのようなことを実施していました。
ところが、当たり前ですが、企業活動のそもそものルールである、「企業はまず本業で成り立たなければ、文化もへったくりもない」ということには、かなり痛い目に会うまでに気が付かなかったのです。ギリギリででも金銭ショートさせない中で、事業を成り立たせた中で、そこから企業文化は醸成されていくものだ、ということです。
痛い目にあって、サバイバルの時期を過ぎて、異質な段階の企業文化醸成が始まりました。それは、もっとまじめな、そして高品質なもの。しっかり創り込みをしたい、品質を高めたい、お客様の立場にたったものを開発したい、そういった姿勢へとはっきりと変わっていきました。そこで次第に、協力的な責任感の強い、好ましい企業文化がゆっくりと強まってきたのです。
そして、タイトルの福利厚生を充実させたら企業文化が高まるのか?
これは違うと思います。それは企業文化が、その中で働く人と人、そのやり取りのなかで熟成されるからです。一方的に会社が福利厚生と称して物理的なもので充足しても、それは本当の企業文化の醸成のほんの一面の手助けにしかならないからです。
人と人。そのやりとり。
そこにはいくら経営者が見栄を張ったとしても、隠せません。廊下ですれ違った時にお客様にするちょっとしたご挨拶、お掃除のひとにかける声、朝の挨拶、飲み会や遊んだ際の根本的な仲の良さ、仲間意識、などなど。
そういった土壌がある上に、例えばいいオフィス環境、フレックスタイム、多めの休暇数、マッサージチェアやダーツなどの遊び道具、オフィスヨガ、お弁当イベント、社内語学レッスン、社員旅行などの、いわゆる福利厚生があって、それが企業文化熟成の手助けをする、そういった位置づけなのです。
今回、1月に入社した外国人社員が緊急入院手術ということになり、そこは全社で心配をし、上司たちは病院で4時間に渡った手術に付き添い、さらに数名がお見舞いにかけつけるなど、こういったことが自発的に行われているあたりにも、企業文化の一面を見ることができていると思っています。