オルタナティブ・ブログ > 坂本史郎の【朝メール】より >

ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

迷惑をかけられた側が罰金を払うという逆転の発想

»

おはようございます。

台風一過、今朝は雲は多めなのですが秋の空。
空気の透けた感が心地よいです。

===ほぼ毎朝エッセー===

□□嫌だと思った側が罰金を払うって名案かも!

先日の田中淳子さんとの勉強会で出てきた「ため息貯金」の概念。これを先日の【朝メール】に次のように簡単に記載しました。

==
■やる気もため息も伝播する

やる気も伝播すればため息も伝播する。やる気の伝播、効果大。ため息の伝播、悪影響大。ため息を付いた人はペナルティーでため息貯金箱に1回100円を入れるゲームにしてしまえば、嫌味が無くなる。
==

これを読んだある友人が、彼の職場での次のようなエピソードを送ってくれました。

引用させてもらいます。

以下引用==>

呑み会の席で,主任クラスの仕事仲間 Aさん から相談されました.

「最近部下のBさんと仕事することが多くなったんですが,Bさんの言葉使いが悪くて,気になっているんです.Bさんが電話でCさんと喧嘩した時なんか,電話を切ったあとに『Cのやつ,死ねばいいのに』なんて言っているんです.これがしょっちゅうあるんです.なんとか,やめさせる方法は無いでしょうか?」

「それは,罰金制度を作ればいいんだよ.Bさんが悪い言葉を使った時は,貯金箱に100円入れる.という風にね.ただし,100円入れるのは,Aさん あなただよ.」

私は本気でそう答えましたが,Aさんが本気で受け取るとは思っていませんでした.

2ヶ月後.

「Kさん,貯金箱はもう5,000円近く溜まってきました.でも最近は,100円を入れる頻度が下がってきました.10,000円になったら,3人で呑みに行きましょうね.」

Aさん,Bさんとの呑み会は,彼らの「海外駐在祝い会」と冠されました.

<==以上引用終わり

なるほど!

田中淳子さんによれば、ため息貯金というのは、ため息をついた本人が周囲に「ごめん」と100円入れる罰金制度。「1000円分まとめてため息ついていい?」というケースなのか、たまに1000円札が入っていることもあるそうです。

ところが、こちらのエピソードでの罰金制度は違います。「嫌だな」と思ったら、思った側が罰金を貯金するというのです。「え、迷惑をかけられた側が罰金?まさか!」と思いますよね。そして、それでもそれで2ヶ月で改善の効果があったと。効果があった理由を思わず推測してしましました。

・貯金をすることで、自分の嫌な感情に句読点、終止符が打てる
・どれくらい嫌な感情を持ったのかが計測できる
・嫌な感情を止めた自分の、その本人との付き合い方が変わる
・嫌な挙動を引き出している一部は自分であることもある
・その一部の分が減る、相手も感情に変化があったことがわかる
・相手の嫌な挙動自体が減る(ように思える)

つまり、こういうことなのでしょう。

理由は何であれ、その人のことを「嫌だ」と思うこと自体を「罰金に値する」と、そういうルールにさえしてしまえば、漠然としていた嫌な感情が定量化できて、それを客観視もできる。何よりも主観的に嫌だと続けて悩んでいる自分と決別できる。そのことにより、許容性が高まる。高まった許容性で、本来の自分の姿、自分の心の持ち方ができる。

例えば、誰かがいつも同じことを言うので辟易としている。でも、「また同じことを聞いた」と思ったら100円貯金するのです。そうすれば、数えること自体に興味が持てて、避ける感情が減る。

例えば、家族のここが嫌、というようなことに遭遇する。でも、「ここは遭遇した自分にご褒美」と100円貯金するのです。そうすれば、嫌だ嫌だという感情がリセットできる。何回そう思ったかがゲームのように計測できる。「またやった」と笑える。「次はいつかな」とこっそりとした期待に変わる。

ううむ、深い!どうやら様々な形に応用ができそうです。しかし、この逆転の発想が、その友人らしいと思いました!

==

※20141007 9:35 タイトル変更「迷惑をかけられた側が罰金を払うという逆転の発想」

Comment(1)