「あの人は動物的勘が鋭い」と年輩の創業社長が言われるワケ
おはようございます。
雨上がりの朝。湿度が感じられます。
===ほぼ毎朝エッセー===
「あの人は動物的勘が鋭いからね」
ある部長さんが自社の創業社長のことをそう表現されていました。社長は70歳を優に超えているのですが、畏敬の念を持たれていたのです。
そして今朝はその動物的勘が何から来ているのかということについてちょっと考えてみましょう。
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自分は起業当初、勘について大いに勘違いをしていました。
直感は空から降ってくるもの。まるで神のお告げがあるようなものだと考えていたからです。実際に、「ふと」思いついたこと、そこを根拠にディシジョンメークしたりしていました。結果はご存知の通り惨憺たるもので、起業当初の大赤字に。
その後猛省し、この手の直感型のことはやめ、ディシジョンはエクセルでシミュレーションをしながら行う習慣にしました。いまや巨大なエクセル表になっていますが、論理的思考の積み重ねのために必要です。
細かい事実を積み上げながらなるべく正確に近未来を予測し、そこから出てくるグラフの形を眺めて問題が無いかを形で考え、それに基づいて物事を決めていくというスタイルです。
面白いもので、その経験値が上がってくるといわゆる勘が鋭くなるのと同じ効果が表れてきます。細かく見ていくと、行間からメッセージが出てくるように感じるのです。
皆の日々出てくる日報を読んでいてもそうです。
「どういうことを考えてこういうことを書いているのかな?」と想像力巧みに読んでいると、自分が書くべきコメントが沸いてきます。それを文字にあらわしている。ほぼ無意識で反射的です。
つまり、細かいことを徹底的に観察しながら経験値を積み上げていくと、勘の鋭さに近いものが生まれてくるようなのです。そして、細かいことを正確に観察するツールとしてITがある。ITがあるから自動的に勘が磨かれるのではないです。経営において勘が鋭くなるには経験値と論理的思考を積み重ねることのようなのです。
きっとこれをずっと続けていると傍から見ると動物的勘の領域になっていくのだと思います。創業社長は小さな金額の頃から、会社の数字や内容を緻密に見る習慣をもつので、長期的にはそういうことになりやすいのかも知れません。
「あの人は動物的勘が鋭い」と年輩の創業社長が言われるのにはそういったメカニズムがあるのだと考えています。