大きな仕事、大きな事業、任されるには免許証が必要
おはようございます。
すっかり梅雨空がどこかに行ってしまっています。
===ほぼ毎朝エッセー===
「仕事を任せてくれない」と思っている人って意外と多いのではないでしょうか?
そのことについて、ある社会人の先輩からヒントをいただきました。
その人は今、ある外資企業と日本企業との合弁企業の社長をされています。
そのヒントは、別な話題からスタートしました。
私:「新入社員にはどんなアドバイスをされていますか?」
彼:「『楽しく仕事をする方法が一つだけある。
そのためには見えない(invisible)ライセンスをなるべく早くゲットしろ』
と言う話をして励ましますね」
私:「インビジブルライセンスですか。見えないライセンス?」
彼:「そう。見えないライセンス、つまり免許証です。
免許証をゲットすることが『楽しく仕事をする方法』への近道です」
私:「楽しい仕事。確かに仕事を楽しくできれば皆ハッピーなわけです。
でもそうならないケースがある。免許証を得ることがその方法ですか?」
するとその人は次のように話すのだと語り始めました。
1.会社の仕事は「楽」ではないし、時間もかかる。
しかも、会社のゴールや ルールも環境も色々制約がある。これは大変そうに見える。
でもその中でも「楽しく」仕事をする方法が一つだけある。是非そうして欲しい。
2.「ただ一つの楽しく仕事をする方法」は極力自分で考えて自分で行動することだ。
言い換えれば「方法を自分で考え、自分運転する」うまく行ったら当然楽しい。興奮もする。
でもよもや期待通りに行かなくても、自分で納得が行くし、学習にもなる。
自分が考えたのだからね。従ってその体験は決して無駄にはならない。
3.では会社は誰にでもその様な仕事の運営を任せるかというと違う。
「免許証」が必要となる。それは実は言い換えれば「周りからの期待と信頼」だ。
「あいつにやらせてみよう。きっとうまく行く」という感覚が「免許証=ライセンス」。
目には見えない。でもそれをゲットしないと、「指示待ち仕事」に終始してしまう。
これは最もおもしろくない仕事だ。
4.「これで分かっただろう。ライセンスにはA級、B級、C級などあるが、
ともかく君は初級を取ることを『意識して』やってごらん。きっと成果はでるよ。
そのライセンス・ゲット自体が楽しくなる。漫然とやるよりはね」と言って上げます。
彼:「これで、目の色が輝きが増す人間は成長が早いです。
私のひいき目だけではないと思います」
私:「なるほど。その通りですよね」
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そう、物事や仕事が任されるには任されるだけの資格のようなものが必要です。
いわば信頼。信頼すら得ていない人が仕事を任されることはないです。
信頼は長いことかけて培うもの。日々の言動、行動、仕事の正確性、ミスの少なさ。
さらにはいざというときのパフォーマンスなどなど。
要素を挙げれば切りがないわけですが、この免許証が様々な活動での原則なのでしょう。
そしていきなりA級ライセンスを取れるものではないということです。
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これは自分が14年前、「起業したい」と、様々な人に相談していた頃を思い出させました。
起業をしたいという思いとビジネスプランとを持って歩きまわったのです。
まわったのはエンジェルになってくれそうな人たち、VCの方々など。
でも、任せてもらえそうなチャンスは全く出ませんでした。
結果的には、勤めていた東レがビジネスプランに対するエンジェルになってくれました。
自分は東レからは「起業にチャレンジさせてもいい」という免許証をもらっていたのです。
それまでの入社以来の14年間の勤務実績について一番知ってくれていた会社でしたから。
その後、起業したものの事業はプランとおりに行かず、ずいぶんと信頼を失いました。
それでも何とか免許失効とはならずにギリギリに事業を続けさせてもらえた。
13年経った今はおかげさまで順調です。
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そこで今、さらに何が起きているかというと、「事業をしっかりと拡大してもいいよ」という、
もうひとつの社会からの免許証をいただいている感覚がするのです。
だから売上も利益も拡大する。だから事業をより深堀できる。
これは自分が「拡大したい」とか「大きくするんだ」と独りよがりに言っていてもできないです。
実績、安定性、社会貢献、納税、雇用、などなど。これらを積み重ねているから得られる
「次への免許証」、それを、社会から頂くという意味のようなのです。
そして、これはずっと続くチャレンジだと思うのですね。
この「免許証ロジック」は、何も新入社員に限ったアドバイスとは限らないのだと、
ハッと目を覚まさせていただいたので、ここにシェアさせていだきました。
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※20130605 11:07 一部変更しました。
・ 自分が「起業したい」 → 自分が14年前「起業したい」
・ それまでの14年 → それまでの入社以来の14年間
・ そこで何が → そこで今、さらに何が