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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

製品開発は粘りだと思います

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おはようございます。

雲のどんよりした金曜日の朝。寒さは一段落です。
昨日は気温、あまり上がりませんでしたね。

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昨晩は前職の仲間との懇親会でした。

自分は1999年まで「Kevlar(ケブラー)」というアラミド繊維の用途開発をしていました。アラミド繊維は黄色く、とても引っ張りに強く、熱にも薬品にも刃物にも耐えるものです。ところがその価格はナイロンの10倍はしていました。ちなみに良くKepplerの法則から「ケプラー」と間違えられるのですが、「ケブラー」、ブは濁音です。

10倍の値段差を納得して買ってもらうためにどうするのか。

そのためには、使い道を開発する必要があります。元の特性を調整し、加工技術を蓄積し、エンド製品としての価値が高まるようにしなければならないのです。実に知恵を絞る必要があるものなのです。

実際にKevlarが使われていたのは、ラジアルタイヤの中身、プリンターなどの制御用タイミングベルト、自動車エンジンの耐熱ホース、切れない軍手、ブレーキ用アスベスト代替品、耐熱防護服、ロープ、魚網、コンクリートの耐震補強シート、ラケットやスキーなどのスポーツ用品、電子絶縁材料、などなどなどなど。

Kevlar1

Kevlar2   

※東レデュポンのサイトから画像をお借りしました。
http://www.td-net.co.jp/kevlar/index.html

きわめて広い産業分野に使われています。

素材の用途開発というのは、メリットが出せるはずだという仮説の元にエンドの製品を開発する人たちや、途中の加工をする人たちと、共同開発を続けることでようやく開拓できるものです。技術者たちと話し合い、実験し、測定し、プロセスを変更し、再実験し、と。ひたすら繰り返してスペックインします。いちどスペックインすればしばらく使ってもらえる。そんなビジネスです。

Kevlar3

そして、前職の人たちと話していて思ったのは、やはり「製品開発は粘り」だということです。どの製品もそうです。一朝一夕にできるものではなく、膨大なプロセスを経て、その全体像としてメリットが出る。それでようやく買ってもらえるものなのです。

IT製品の開発に身を転じて来週の6日で12年になります。そう、3月6日がe-Janの創立記念日。ひとまわりして、ますます確信しているのは、「粘り」の重要性です。CACHATTOもある意味、スペックインすればしばらく使ってもらえるものです。いわゆる素材の一つなのかもしれません。

粘れば粘るほど価値のあるモノへと進化していく。価値があればお客様にメリットが出せる。メリットが出せればビジネスになる。

実に地味なことですが、そういうことなのだと思います。

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