スゴウデ技術者で火事場を切り抜けていていいのか
おはようございます。
あいにくの雨の朝です。会社着くころには止んでいました。
ユニクロの折り畳み傘は一回り大きくなったのはいいのですが、
とても折りたたみづらくなり閉口します。
今朝は、製品やサービスの量産効果について考えてみます。
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システムの導入にあたって現場でトラブルが発生することがあります。CACHATTOの場合、通常トライアル機の設置は1時間ほどで完了するのですが、たまに苦戦し、半日ほどかかってしまうケースがあります。それがここのところ散見されました。
技術陣とサポート陣とで内容を分析します。要因はお客様環境の事前把握が不十分であることに帰結します。そこで、環境をヒアリングするシートを充実させるというアクションへとつながりました。うちでいう『環境設定シート』という項目入力の確認ドキュメントを充実させています。
その作業をコツコツとやっている技術者の昨日の日報に一文ありました。
「ここまで項目を充実させたならトライアル設置はお客様が作業できるような気もします。」
いいですね。正攻法です。そして、これを読んで、ふと電車の中で思い出したことがあったのです。経営を色々とご指導いただいていた川上さんという方から聞いた例です。
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1990年代のことです。携帯電話市場の立ち上がり時期ですね。携帯電話用設備の世界大手であるエリクソンというスウェーデンの会社。そこからは日本に様々な設備が導入されていたそうです。当時川上さんは日本における研究所長でした。
当然のことながら、設備導入の際には様々なトラブルが発生することがあります。現場で解決できないでいる。それで本国にSOSを出す。するとしばらくしてスウェーデンから凄腕技術者がやってくる。それでお客様先に赴き、トラブルを解決する。それが定常化していたそうです。
「それでは根本的な解決にならない。」
松下電器での経験が長かった川上さんは、次の強い信念をもっていました。
「トラブルが起きた際は、その回避方法をドキュメント化する。
そして、解決は現場でドキュメントにしたがって実施する必要がある。」
そこで、凄腕技術者の派遣を拒んだそうです。
スウェーデンの技術者からは、日本に派遣してもらった方が工数も少ないとの抵抗もあったようです。観光も兼ねてというご褒美もあるのでしょう。川上さんはあくまでもドキュメント化の方針を貫いたそうです。しぶしぶ従った本国の技術者。
その結果、トラブルは明確化されます。徐々に日本の現場で問題解決できるようになります。やり取りには、あくまでもドキュメント化したものを使う、これを徹底したといいます。
一見回り道なのですが、問題点の明確化ができ、技術者の派遣を不要としただけではなく、基本的な品質の向上にも役立ちました。製品は量産効果が利くものへと変質します。その成果は、スウェーデン本国でも注目を浴びたそうです。
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・現場に技術者を送り込むことに頼らない。
・問題がクリアになるようにドキュメント化を通じたやりとりをする。
・それを続けることが製品やサービスの量産効果を生む。
当たり前のことなのでしょうが、ソフトウェア業界ではついつい現場対応に頼ることが多いです。今やっている仕事は量産効果を生むのかを絶えず考える。それが仕事への取り組み方だと思います。それが、現場で実施されていることを嬉しく思ったのです。