成功するトロイカ体制と失敗するトロイカ体制
おはようございます。
週末の雨で涼しくなると。あと一息です!
今朝は永井さんのエントリーにあった『トロイカ体制の経営スタイル 』にインスパイアされてエッセーを書きました。
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考えてみると3という数字は不思議です。
日本にある「三矢の教え」やイソップにある「3本の棒」。棒が縦に3本ぴったりと重なれば、断面二次モーメントがぐんと高まって折りづらくなります。3点をつなげば面が定義できるし、2本足では立ちづらいけど、三脚なら容易に立たせられる。
3は「社会」が発生する最小の数でもあります。
意見が割れたときに2対1での多数決が発生します。子供が「みんな持っているから買って」とせがむ時の「みんな」は、3人であるとも言います。3人が同じことを始めるとその人にとっての「社会」が動くのです。株式会社の取締役数も最低3名とされています。
そして仕事においても、3という数字には注意すべき特性があります。
3人が打ち合わせをして、あることに合意したとします。ところがその中の誰がやるのかは定義しない限り不明確なのです。2人であれば自分でなければ相手です。つまり、責任の所在が不明確になる最初の人数であるということです。
この不明確さがトロイカ体制の落とし穴だと考えます。
何につけ、トロイカ体制と呼ばれるものには、この不明確さが原因で失敗することが付きまといます。3人という最小数社会が発生するからこそ、序列や責任者を明確にしないと、次第に曖昧になって失敗してしまうのです。
自分も起業当初、トロイカ体制で失敗しました。
起業してから代表取締役になった自分は、他二人への遠慮から「それでも3人は平等だよ」と強調していました。「自分が全責任を負いたくない」というサラリーマン時代の性質も残っていたのでしょう。故に序列が不明確のままで走ってしまいます。いわば平らに置いた正三角形状態です。くるくると平面で回って飛ばず、迷走して当初の事業は大失敗してしまいました。
でも今も、常勤取締役はトロイカ体制でやっています。
自分が確信しているのは、3名で話し合うことの重要性です。独裁ではアンテナ感度や事前考察が不足してうまくいかないです。ただ、今は序列と「代表取締役」である私の責任ははっきりと共有されています。いわば垂直に立てた二等辺三角形体制になっているわけです。二等辺三角形は紙飛行機になってきれいに飛んでいます。
トロイカ体制。3人で何かをする。それを成功させたかったら、3人の中の責任者を決めることです。「みんな」という安心感で迷走するような仲良しクラブにしてはいけません。起業するときや何かのプロジェクトを始めるときに3人でスタートするという人たちも多いです。きらきらと目を輝やかせて言ってくるその人たちに、自分ができる唯一のアドバイスが、「代表には格段に責任と権限があるということを認識してくださいね。」ということなのです。